実車について |
LP400Sは1978年から82年まで生産されたカウンタックの二代目モデルです。
チンスポイラー一体型大型化フロントバンパーに前後オーバーフェンダーを装備し、それに伴ってタイヤは超扁平化されホイールもブラボー製リボルバータイプに変更、ウルフカウンタックをさらに昇華させた凄みのある外観へと変身しました。ちなみにお馴染みの大型リアスポイラーは実はオプション装備です。
またLP400Sには前期型と後期型が存在し、後期型はホイールや内装のデザインが変更されました。さらにエンジンルーム内の配管も若干の変更が見られます。
当時日本ではスーパーカーブームがすでに終わってましたのでLP400Sの知名度はLP400ほどではありませんでしたが、このデザインは北米でとても人気があってLP400をLP400S仕様に改造するカウンタックオーナーが続出したほどです。
その結果三代目モデルのLP500Sは後期型LP400Sとほとんど同じデザインで世に登場し、四代目モデルのQV(クワトロバルボーレ)でもエンジンフードの変更とサイドスカートの追加以外大きな違いはありませんでした。
LP400Sの総生産台数は237台と言われてますが本当はもう少し多く、実際にそれよりもあとの車体番号の車両が数台存在しています。 |
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キットレビュー |
フジミのこのカウンタックシリーズにはLP400Sは製品化されていませんので5000QVがベースキットになります。
びっくりするほど精密なフジミのエンスーシリーズのカウンタック。その組み立てにくさはLP400のページで語ったとおりですが、このキットはそれに加えて肝心のエアロパーツがゴツくてあまり似てません。
特にフロントバンパーはそれに加えて一体成型のはずのチンスポイラーが別パーツになっており、完成後もこれらは2ピース構造と解釈されたとモールド処理になっているのが残念です。 |
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ただしLP400ではかなりヒップアップで、車高を落とさなければならなかったリヤがこのモデルではほぼピッタリになっています。そのため素組みのままでも結構分見られるものになっていまして、これは多くのモデラーにとってありがたいことです。
もしかしたらフジミのカウンタックシリーズは、このLP5000 QVをスタンダードに設計されたのかもしれません。 |
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ランボルギーニカウンタックLP400S制作記 |

LP400の次のお仕事ということで、同じ人からLP500プロトタイプとともに頼まれた依頼品のうちの一台です。
このLP400Sの模型は、Lamborghini Countach (Osprey Classic Marques)という洋書に載っているメタリック茶紫の前期型LP400Sがモデルになっており、エンジンのヘッドカバーの色以外はそれを忠実に再現しました(実車のヘッドカバーは赤色)。
制作は、5000QVのキットをベースにLP400とウルフカウンタックのパーツを部分的に使用。今回の資料には数々の洋書だけでなくカンタックのパーツリストまで用意して実車構造を把握しました。また依頼者様からのチェックは超マニアックな部分にまで及び、さらにこのサイトを見たLP400Sのオーナー様から善意の協力がありまして、普通ここまでやらんだろというくらいのディテールを1/24のボディに詰め込みました。
おかげで制作期間は約1年半というとんでもない時間がかかってしまいましたが、模型の完成度も前作のLP400よりかなり進化しています。
なお、ボディカラーが特殊な色のため撮影するたびに違う色味になってしまい、残念ながらどれ一つとして正しい色を写真で再現出来ませんでした。