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GSIクレオスのホビー用塗装ブース「Mr.スーパーブース」を購入して半年間使用した感想レポートです。 《目次》
内容物一式 中身はざっとこんな感じ。
組立てにはフードをシロッコファン本体にネジ止めするのでプラスドライバーが必要。
Mr.スーパーブース 外観 塗装ブースの形には、塗装スペースのまわりをフードや壁で囲ってミスト飛散を防ぐ設計の「箱型」と、手元の明るさと塗装作業の行いやすさを優先した開放的なデザインの「末広がり型」の2種類があり、前者はタミヤ・エアテックス製、後者はクレオス・ウェーブ製になります。(参考:各社塗装ブース比較表 2009)
排気ホース 排気ホースの伸縮はわりと硬め。蛇腹を伸ばすと最大1.5mまで伸びます。
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吸引力 私はリニアコンプレッサーL7(メーター読みで最大圧0.12Mpa)を使用してますが、これをノズル径0.5mmのエアブラシと組み合わせて全開フルパワー状態でも全く問題なく十分に吸引します。そして実際に使ってみるとハニカムフィルターの威力が予想以上に大きく、これがミストを吸収して拡散を防いでくれます。 そしてより高圧で塗料の吐出量の多い缶スプレーの場合ですが、私はシュッシュッと小刻みに吹き付けていくタイプなので、吹きっぱなしになるエアブラシ塗装以上にミストをよく吸引しまして、全くといって良いほど飛び散りませんでした。 あと匂いの吸い取り効果は思ったほどではなく換気扇代わりとまではいきません。使用時には窓を開けるなど部屋の換気を十分にとることが必要です。(参考: 防塵防毒マスク)
《実験1》 吸引力を視覚的にイメージしやすくするデモその1。
吸引力を視覚的にイメージしやすくするデモその2。
《実験2》 線香を使ってどのくらい離れても吸い込み可能なのか。またフィルター表面の場所による吸引力の差を試してみました。
Mr.スーパーブースの吸引力の強さの秘密は、モーターのパワー以外にフードの奥行きの短さにあります。ファンから正面パネルまでの距離が短いのでパワーの損失が少ないのです。その代わり場所によって吸引力に差があり、またファンは実作業での使いやすさを考慮してかど真ん中よりやや下側に位置しているので、一番遠い上両端の吸い込みが弱いです。ただしハニカムフィルターがミストを吸収するので吹き返し防止効果はありました。
以上のことから吸引力は、スプレー缶塗装には物足りないけどエアブラシでは問題なしと判断します。
作動音 Mr.スーパーブースの作動音は大きな部類というのが世の評価です。 音の順番は、 ただ音は大きくてもコンプレッサーのように他の部屋に響くような低音質ではなく無振動ですから、それでまわりに迷惑がかかるというようなケースは少ないと思われます(もちろん同じ部屋にいる人にとってはうるさいと思います)。私は深夜でも使えています。
排気 ハニカムフィルターとペーパーフィルターが酷く汚れていなければ排気はそれなりにクリーンなようです。
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作りの甘さ 使ってみて最もに気になったのが、フードの素材にに軟質樹脂を採用したせいなのか各部品の合いがぐすぐすな事。ガタ付きやすいだけでなくミストガード(透明の傘部分)とハニカムフィルターがすぐに外れてバラバラになり、使っていてストレスが溜まります。
《対策》
対策後は逆さまにしようがブン回そうが、ミストガードが外れたりガタ付く事は全くなくなりました。(ハニカムフィルターはブン回せばさすがに外れます)
《補足: 排気ホースもユルい》
ペーパーフィルターの巻き込み フード内のペーパーフィルターは吸引口の枠に両面テープで貼るようになっていますが、ファンの吸引力に負けて枠から外れてしまう事が何度かありました。
《対策》
この金網とペーパーフィルイターの固定用に、最強の磁力を誇るネオジム磁石【Amazon】とステンレスプレートも100均で売ってますので一緒に購入。 ネオジム磁石を両面テープの貼りしろの四方に、その外側にステンレスプレートを強力両面テープで貼りました。
そして100均金網を取り付けます。ネオジム磁石なので超強力にガチガチにくっついて強く引っ張らないと外れません。 純正ペーパーフィルターの固定はそれを金網の上にかぶせ、ネオジム磁石の部分に永久磁石を引っ付けて固定します。これでペーパーフィルターの取り換えも簡単になります。 以上が半年間使って感じた欠点ですが、それぞれの対処法により解決もしくは軽減できましたので現状さしたる問題はありません。
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ペーパーフィルターの交換時期 模型用塗料を吸引するためペーパーフィルターは交換サイクルがわりと早く、目が詰まり始めたら作動したときに表面が引っ張られて「ペコッ」と凹む音を出すようになります。また作動音にカン高い風切り音が混じるようになり吸引力がガクンと落ちます。
ペーパーフィルターの代替え品 ペーパーフィルターは5枚で525円(税込み)。早め早めに交換してくと結構バカになりません。ネットで調べてみると日用品のレンジフィルターが代替えに出来るらしいとの事で、安く上げるために100均店のものを試してみました。
100均店のレンジフィルターといっても色んな種類があるので一概には言えませんが、私が買ったのはクレオスの純正品と比べると薄くて敗れやすい品質でした。純正品はこれに比べるとかなりコシがあってしっかりしています。
ハニカムフィルターのケチケチ使用法 ハニカムフィルターは少し汚れたくらいでは吸着効果は落ちないし、風通りが悪くなるわけでもないので案外長持ちします。
ここまでなら誰もが考え付く事ですが、大阪人の私はさらにケチ臭い使い方をしています。(笑)
この加工を行なった上で先に紹介した向きの上下裏表入れ替えを行なえばハニカムフィルターを隅々まで無駄なく完全に使い切ることができ、持ちが実質8倍になります。おかげでMr.スーパーブース購入より半年以上過ぎた今でもまだ一度も新品交換していません。
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Mr.スーパーブースは構造がシンプルな事。そして塗料により直接汚れを受ける吸入口は交換消耗品のハニカムフィルターで全面覆われているので清掃が楽で、メンテナンス性は良い部類の製品です。ただ肝心のシロッコファンの取り外し清掃ができないのが難です。
フード内部 内部が汚れるのは思ったより早く、1/24カーモデル塗装1つ未満での状態。触ると塗料の粉が舞ったり固まったカスがボロボロと落ちてきたりします。長い間放って置くと手が付けられなくなる恐れがあるのでめんどくさがらずにマメに掃除したほうが絶対良いです。このフードはシンナー薄め液やエアブラシ洗浄液に侵されませんので、それでふき取れば簡単に落ちます。 フタに付属しているハケで塗り、乾燥後は簡単に剥がれる仕組みです。マスキングゾルの親玉ですね。
フード内部全面に換気扇リパックを塗布しました。これで汚れたときにはがすだけで清掃ができます。 ファン本体 シロッコファンは一番清掃が面倒な部分です。
《自己責任でファン取り外し清掃》
上記のリスクを考えたらこの方法は人様にお勧めできませんし、真似して壊れたからといって責任は一切取れません。
排気ホース 排気ホースも使い続けていくとやはり内部に顔料の粉がたまってきます。とくにファンに接続する側は半年くらいで左下画像の有様です。水を含ませ固く絞ったウエスを棒に巻きつけて拭き取ってみましたが、汚れの多くがジャバラの溝に溜まってるのでうまく拭き取れません、 なのでホースのジャバラを伸ばし切り、勢いのある流水による水洗い。これが最も手っ取り早く、汚水がドバドバ出てきます。胃カメラのようですが(笑)すっかりキレイになりました。
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Mr.スーパーブースを購入から半年使ってみた評価です。(10段階評価)
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リニアコンプレッサーL7のときと同じく格安ホビーショップのあみあみから30%引きで購入。(09/11月追記:現在は40%引きで恐らくネット通販最安値。アマゾンも送料無料38%引きで同額。)
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《サイト内関連ページ》
これはクレオス製品に限った話じゃありませんが、塗装ブースの吸引性能を過信しないように。
防毒マスクは興研、重松製作所、3Mが有名どころ(ていうかそれ以外あんまり聞かない)。吸気缶シングルタイプでは、興研の防毒(塗装)マスクセット G-7【Amazon】が防塵フィルターまで必要な物一式セットになっていて便利で、ユーザーも多いと聞きます。最近重松も競合商品でペインターマスクセット【Amazon】 を発売し、どちらも国家検定合格品なので性能は折り紙付きです。
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おまけ2 各社塗装ブース比較表 2014
吸引力の評価は個人の主観によるものです。風量や作動音、消費電力の数値は各メーカーで計測環境が違う可能性があります。目安程度にお考えください。価格は2014年4月の消費税率変更前のものです。
メーカー 商品名 ファン数 吸引力 作動音 幅×高×奥(cm) 重量 ホース長(cm) 消費電力 価格
(税込)備考 タミヤ
ペインティングブース
(ミッドナイン)1基 弱
(排気風量:750L/min)52dB フード収納時
47×29×20
展開時
47×29×452.8kg 92 30.0W \14,600 フードが折り畳めてコンパクト。
吸引力が弱い代わりに最も静か。ペインティングブースII発売に伴い生産終了し、現在は問屋・小売店在庫のみの旧型モデル。
ペインティングブースII
ツインファン
(Amazon)2基 超強
(排気風量:2100L/min)63dB フード収納時
40×30×33
展開時
40×30×534.3kg (50+50)×2
(連結式)24.0W×2 \26,040 パワーとメンテ性を向上させた現行モデル。旧型の2.8倍の吸引力で缶スプレーでもガンガン吸い込み、前面パネルのどの位置でも吸引力にムラが少ないと定評。フード折り畳み機能を継承。排気ホース2本。電源コードまで2本。
ペインティングブースII
シングルファン
(Amazon)1基 並
(排気風量:1050L/min)58dB フード収納時
40×30×33
展開時
40×30×533.2kg (50+50)×1
(連結式)24.0W \17,640 ペインティングブースIIの廉価版シングルファンモデル。旧型の1.4倍のパワーとツインファン同様吸引ムラの少ない前面パネルを持つ。カスタマーパーツの追加でツインファンモデルにグレードアップ可能(8,190円 送料・税込)。 エアテックス
(ブラックホールシリーズは2013年12月で生産終了。在庫のみ)
ブラックホール
(Amazon)1基 並 45dB 45×38×56.5 5.0kg 150 16.5W \15,540 天板にエアブラシハンガーとトレイを装備していて物が置ける。
塗装用ターンテーブル付き。実際の作動音はタミヤの旧ペインティングブースより大きいらしい。
ブラックホール
ライトハウス
(Amazon)1基 並 45dB 45×38×56.5 5.3kg 150 23.5W \17,325 上記モデルに手元照明が付いたタイプ。
手元が暗いという箱型ブースの短所を克服している。
ブラックホール
ツインファン
(Amazon)2基 超強 56dB 45×38×56.5 7.1kg 150×2 33.0W \23,940 ファン1基のみの作動も可能で、使い分けによって消費電力や作動音を抑えるという事もできる。
代わりに筐体がゆがむほど重い。排気ホース2本。
ハリケーン
(Amazon)2基 超強
210m3/h、
250m3/h
(50Hz/60Hz)52dB 51 x 35 x 22 9.6kg 200×2 56.0W/53.0W
(50Hz/60Hz)\39,900 エアテックスの新型ツインファンで、同社最上位機。筐体はステンレス製で強度が向上、汚れもシンナーで楽に落ちるしマグネット吸着で色々吊るせる。LED照明と幅狭排気口を採用。奥行きはクレオスを抜いて最も短く、パネルはマグネット脱着式でコンパクトに収納可。短所は重量と消費電力。そして全社製品中最も高額。
レッドサイクロン
(Amazon)1基
(プロペラ式)強
240m3/h
(50Hz/60Hz)60dB 収納時
42×24×26
展開時
42×33×593.5kg 170 25.0W(カタログ無記載、
メーカーに確認済)\15,750 2013年10月発売。まじかる☆サクショん、TR-155SBと外観・スペックが似ており元が同じ製品ではと言われている。吸引力がクレオスを上回る代わりに作動音も上回る。薄型設計だが、ホース排気が真後ろなので実際の奥行きは他社品の倍ほど必要。2台連結して使用可能。幅狭排気口付き。オプションでLED照明発売予定。 GSIクレオス
Mr.スーパーブース
(あみあみ)1基 強
115m3/h・
125m3/h
(50Hz・60Hz)57dB 62×37×33 2.4kg 150 31.0W \18,900 吸引力は、まじかる☆サクショん、レッドサイクロンが出るまで長らくシングルファン型最強だった。
前面パネルが最も広く、奥行きがスリム。
オプション部品に幅狭排気口アタッチメントがある。プロクソン
プロクソン
スプレーブース
(Amazon)1基 弱〜並?
44dB
(測定距離
1m)45×37×42.5 2.5kg 150 11.0W \11,000 量販店では6000〜7000円強台で売られている低価格塗装ブース。価格なりに使えるとの評価。
スプレーブースのガワはダンボール製で、フィルターと同じく消耗品として交換パーツが売られている。ナカトミ
スプレーベンチレーション SPV-751基 弱〜並?
(排気風量:0.84m3/min)62dB 43×35×50 1.7kg 150 15.0W オープン
(実売価
\5,000
前後)3千円台で販売されてる事もある最も低価格な塗装ブース。本体はダンボール製。フィルターは洗って繰り返し使える。
※現在は販売終了した模様。アネスト岩田キャンベル
まじかる☆サクショん
MX3430
(Amazon)1基
(プロペラ式)強
(空気量 2m3/min-20Pa ※AICH測定値 ※フィルタ初期時)60dB(A)
正面1m
※フィルタ新品時収納時
42 x 25 x 26
使用時
42 x 34 x 59.5
3.1kg 外径 90
伸縮可能長さ
450〜145014.0W \15,750 上部開放型クリアフードで作業エリアが明るい。フードを折り畳んで本体BOXに収納可能な省スペース設計。ただし排気口が真後ろなので使用時の実際の奥行きは他社よりある。回転式塗装台、窓用幅狭ダクトが付いている。ファンは軸流式で良く吸い込むけど音は大きい。TR-155SB、レッドサイクロンとデザイン、規格が酷似。 イリイ
エアブラシ用スプレーブース
TR-155SB
(Amazon)1基
(プロペラ式)
強
3m3/min47dB
収納時
42×15×24
使用時
48×42×363.6kg 径:φ100
全長:1,500
排気口:22×25025.0W ¥13,800 巻き取り式電源コード装備、アタッシュケース型に折り畳め、収納性と持ち運びを考慮した設計。ファンは軸流式(プロペラタイプ) / 仕切りを折り畳んで2台を並べて使用可能。広い塗装エリアになる) / 環境配慮の3層フィルター / ターンテーブル付 / 幅狭排気口 /
※発売元がアドヴァン・エンタープライズからイリイに変更。
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(2009/03/28)
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