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GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサーL7 (L7エアブラシセット)


静音性と堅牢さで模型用コンプレッサーのベストセラー機であるMr.リニアコンプレッサーL5の上位機種として、同程度の駆動音とそれを上回るパワーを売り文句に2007年12月に発売されたクレオスの新型機「Mr.リニアコンプレッサーL7」。

新発売からもう半年以上経つのにネット上でまともなレビューを全然見かけないこの機種。価格が微妙だとか、高圧と静音で考えると中途半端じゃないかとかいろんな憶測が飛び交ってるようなので、ここは自分が人柱になってみました。

というのは、それまで7年間使っていたタミヤスプレーワークHGコンプレッサー REVOが圧力不足でウレタンクリアーを上手く吹けなかったので、これを機にコンプレッサーの買い替えをと思い、L7の導入に踏み切ったのです。そこでREVOとの比較実験を交えながらできるだけ細かくレポートしました。



Mr.リニアコンプレッサーL7は以下の形態で販売されています。
※PS309 L7 レギュレーター/プラチナセットが新たに追加されました。(2009/07/23)

L7単体(PS254)
塗装にはさらにエアブラシとホースが最低限必要。
現実的にはレギュレーターとエアブラアシスタンドも必要。コンプレッサーのみ買い換える、もしくは買い足す人向けの商品。

L7/圧力計付レギュレーターセット (PS307)
レギュレーター、エアブラシスタンドII、1/8ストレートエアーホースが付いたセット。
塗装するには別途エアブラシが必要。自分好みのエアブラシを選びたい人向け。

L7 エアブラシセット(PS308)
上記セット(PS307)にダブルアクション式エアブラシ「プロコンBOY WA PS264」が付いたフルセット。
これだけですぐに塗装が始められる。バラ買いするより割安。

L7 レギュレーター/プラチナセット(PS309)
上記セット(PS308)のエアブラシが最上位機の「PS289プロコンBOY WA プラチナVer.2」になり、さらにスパイラルホースとハンドグリップフィルターを追加装備したことで使い勝手が向上したハイグレードセット。
リンク先:あみあみ


私が買ったのは最後の「L7 エアブラシセット」。塗装に必要なもの一切合財が入ってるフルセットです。





Mr.リニアコンプレッサーL7 エアブラシセット内容物一式
内容物一式。写真ではわかりやすいように外してますけど、コンプレッサー本体はビニールで包装されてます。 ダブルアクション式エアーブラシ「プロコンBOY WA PS264」&圧力計付レギュレーター



1/8 エアホース&エアブラシスタンドII 取扱説明書 (拡大画像 1234
発砲スチロールの緩衝材は今時ちょっと時代遅れな気が。





コンプレッサー外観
寸法は長さ170mm× 横142mm × 高さ185mmで、L5より一回り大きくなっていますが、それでもコンパクトな部類です。
ただし重量は2.9kgとかなりズッシリしており、いかにも鉄の塊といった具合。
1/24カーモデルとの比較。横に並べて2台分くらいの床占有面積。エアー吐出口は1/8(S)規格。 スイッチは中間スイッチになってます。ただ手元スイッチ代わりに使う場合は本体との距離が短かいように感じるので個人的にはもう少し長くとって欲しかったところ。



L5やL10で外に飛び出していたエアーフィルターは埋め込み式になったのでその分コンパクトになりました。たまに外してホコリを取るなどメンテするようにと説明書にありました。 エアーフィルターが埋め込み式になり、そこから突出していた煙突もなくなったので、この角の小さな穴がエアー吸入口になります。ハンドピースからエアーが出ていないときのエアーの逃げ口も兼ねてます。






性能比較
今まで使っていたタミヤスプレーワークHGコンプレッサー REVOとの比較実験を行いました。使用ハンドピースはセット付属のクレオスプロコンBOY WA 0.3mmです。



吐出量
レギュレーターを最大開放し、ハンドピースの噴射ボタンをいっぱいまで引いてA4普通紙に横一文字にサッと線を引いてみました。紙との距離は20〜30cmくらい。
線の幅、色の濃さで違いを判断してもらえばと思います。
今までREVOを使っていた身としては気持ち良いくらいブシューと出ます。代わりにカップ内の塗料の減りもREVOの倍くらい。

私の感想としては、L7は模型の大きさやジャンルを選ばずにストレスを感じない吐出量を持っていると判断しました。

もちろん缶スプレーほど高圧でドバッと出るわけではありませんので、同じくらいに手早く塗るのは無理。
ただその分うっかり吹きすぎることによる液ダレも起こりにくいので、同じベタ塗りでもエアーブラシならではのキメの細かく薄い塗膜の塗装を、REVOの倍のスピードで行なうことが私はできるようになりました。

ちなみに脈動は皆無でした。





圧力
個人的な感想ではL7のパワーは体感的にREVOの倍でした。

でも実際のところ数値としてはどうなのか?両コンプレッサーの出力をクレオスの圧力計で計測してみました。
REVO公式データー: 最高圧力0.11MPa / 最大連続使用圧力0.08MPa
L7公式データー: 最高圧力0.15MPa / 定格圧力0.1MPa

用語説明
  • 最高圧力: コンプレッサーを駆動させて、ハンドピースからエアーを吐き出していない無負荷状態の圧力。
  • 最大連続使用圧力: コンプレッサー駆動中に、ハンドピースからエアーを連続で吐き出している状態での圧力。
  • 定格圧力: 最大連続使用圧力と実質的に同じで、最低保証圧力の意味を含む。(クレオスに確認済み)


● タミヤスプレーワークHGコンプレッサー REVO
ハンドピースの噴射ボタンを押してない無負荷の状態(最高圧力)でメーター読み約0.08Mpaです。 続いてハンドピースの噴射ボタンを押してエアーを出した負荷状態。メーター読みで0.05Mpaを少し超えたくらいでした。



● GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサーL7
最高圧力はメーターをあっさり振り切ってしまい計測不可能。公式データー(0.15Mpa)どころの数値でないのは確かです。 エアーを出した負荷状態ではメーター読み約0.12Mpa。日によりブレ幅があって、大体0.12〜0.135Mpaの間です。公式データー(0.1Mpa)と比較しても妥当な数値かと。


つまり「体感的」にではなく、本当に倍の差があったということです。

ただREVOの数値が公式データーより結構下回ってるのが気になりました。すでに7年使用してきた機器ですので新品時の性能が出ていない可能性があります。対してL7は卸したてバリバリの新品です。

この話を聞いた和歌山模型さんのご好意により、新品のREVOで同様の実験をしていただきました。
計測に使用した圧力計はWAVEエアレギュレーターHGでこちらも新品。結果は公式データーと全く同じの最高圧力0.11MPa / 最大連続使用圧力0.08MPaジャスト!(タミヤすげええ!!)

私のREVOはやはり経年劣化で性能が落ちており、両製品の本当の圧力差は約1.5倍くらいということですね。

また細かい話をすれば東日本と西日本とでは電圧の周波数に差があってクレオスは東日本の数値で公表しているので、私の住む大阪ではほんの少しだけ高い数値になるみたいです。





ウレタンクリアー塗装
さて今度は実践編です。

私がL7を購入することになった動機が前記のとおりREVOではウレタンクリアーを上手く吹けなかったからでして、ウレタンクリアーは溶剤系クリアーに比べて粘性が高いため、低圧のコンプレッサーでは運用が難しい場合があるのです。

そんなわけでL7を使ってリベンジを試みました。
使用したウレタンクリアーは精密屋ウレタンクリアー。

模型用として販売されているもうひとつの製品であるフィニッシャーズ製ウレタンクリアーに比べてサラサラ感が強いのが特徴だとか聞きます。
つまりこれが吹けないようではフィニッシャーズ製品ではなお無理があるということになります。


● タミヤスプレーワークHGコンプレッサー REVO
使用ハンドピースはオリンポスPC-101 0.3mm。レギュレーターを介さずにエアーホースと直結してますのでコンプレッサーの規定圧そのままです。

圧力がウレタンクリアーの粘性に負けて塗面が柚子肌になってしまい、無理に吐出量を得ようとニードルを下げたことによりボタ落ちまで起きてしまいました。

ここ数年来味わったことのない敗北感と挫折感で、これが私にL7購入に踏み切らせました。

(左画像クリックで拡大)



● GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサーL7

使用ハンドピースはセット付属のPS264A プロコンBOY WA 0.3mm。
精密屋ウレタンクリアーはエアー圧を1キロ以内で使用するように書かれていますので、上限の0.09〜0.10Mpsに絞っています。

溶剤系クリアーと何ら変わらない感覚で吹けました。画像は吹きっぱなし硬化後の姿です。研ぎ出し作業は行なっていません。

(左画像クリックで拡大)
ご覧の通り差は歴然でした。

ただタミヤの名誉のために付け加えると、使用したのは性能の低下した7年落ちのREVOなので、もし新品状態のスペックが出ていればこうした結果にはならなかった可能性があります。

※追記(2012/05/24)
その後フィニッシャーズ製ウレタンクリアーも使ってみましたが、規定内の希釈率で何ら問題なく快適に吹けました。使用ハンドピースはPS266 プロコンBOY LWA 0.5mmです。






作動音
夜の作業が多い私にとって音の大きさは最も重要視するファクターのひとつで、ダイヤフラム式でなくリニア式のコンプレッサーを選んだのものそれが理由でした。

コンプレッサーの騒音は単に音量だけでなく、音質、振動といった要素と絡み合って構成されています。



音量&音質
音量は静かなコンプレッサーの部類に属すると思われ、体感的にREVOの半分〜2/3程度。
音質はリニア駆動の特徴なのかマイルドで、コンプレッサー特有の野太い耳障り感が抑えられています。REVOに慣れてる身としては感激モノでした。

百聞は一見にしかず!聞き比べるためにREVOとL7両方の作動音を録音しました。音質だけでなく音量の差をわかりやすくするため同時に連続録音しています。ただしこれも新品のREVOより音が若干大きくなってる可能性があることをご考慮ください。

こういう状態で録音しました。

最初にREVOを作動させてスイッチを切り、その後L7を作動させています。作動中音質の変わるポイントがありますが、そこはハンドピースからエアーを出しているところ(負荷状態)です。

REVOは音質が結構変わりますがL7は変化なし。代わりにエアー吐出量が大きいため、「シュー」という音をマイクが拾っています。


また、後日プチコン、L5、L7の各作動音を聞き比べる機会がありました。

プチコンはL7の半分くらいでメチャ静か!L5はその中間よりやや大きめという感じで、特にL5とL7は音量よりはむしろ音質による差のほうが大きく、L5のほうが軽い音質なのでより耳障り感が少なく快適という具合でした。(でも公式データーのL5とL7が全く同じ数値なのはないわーと思った)
クレオス公式データー
機種 プチコン L5 L7 L10
作動音(無負荷時) 45dB 50dB 50dB 55dB


※L7はエアーブラシ(厳密にはエアーブラシのホース)に繋がずに単体だけで作動させるとびっくりするくらい大きな音が出ます(パッケージにも記載あり)。店頭などで作動音を試し聞きする場合はその点を確認したほうが良いでしょう。





振動


L7はほぼ無振動で、床に直置きしても響きません。これもREVOを使用していた自分にとって感動モノでした。(だってREVOは振動対策で座布団の上に置いてたもん)

厳密には、低振動のリニア駆動とはいえ本体は作動中に振動してるのですが、本体を宙に浮かせている柔らかめの中空ゴムの上げ底がそれをうまく吸収し、さらに足高のゴム脚で残りの微弱な振動を殺してるようです。

我が家は一戸建て住宅でして、試しに床の上で作動させたまま隣や真下の部屋に行ってどれくらい響いているか確認しましたが、耳を澄ませば何か音がしてるという程度でした。つまり他の部屋の人に迷惑にならないレベルです。

私は今まで控えていた深夜の塗装作業もL7に変えてからはOKになりました。ただしこれは個人の感覚や居住環境によって差がありますので参考程度にお考えください。






弱点
買い替えて良い事ずくめのL7ですが、しばらく使っているうちに弱点もいくつか発見しました。とはいってもL7本体にではなく、それを取り巻くクレオスのエアブラシ関連ツールの弱点でした。



圧力計付レギュレーターに関して
クレオスのレギュレーターは減圧機能で減圧値を設定しても、まず通常どおりにエアーが送られる構造になっています。そのためハンドピースの吹き始めは必ず最高圧力になっていて、そこから設定した値まで圧力が下がるのに1秒程度のタイムラグが発生します。

つまりそれを考慮して使わないと、例えばかなり低圧に絞って吹くときに、吹き始めの一瞬だけはブシューとエアーがMAXで出るのでびっくりすることになります。(エアテックスとWAVE製レギュレーターは吹き始めから設定圧らしい・ユーザー様談)

この件はクレオスにも問い合わせたのですが、エアーだけをまず出して圧力を調整してから、塗料ボタンを引いて塗料を出す使い方を推奨するとの事でした。

つまりこれはL5の時代からあった現象ですが、よりパワーのあるL7でわかりやすくなったという事でしょう。
ただ使い続けていくと慣れてしまう程度の話なので、多くの人にとってはさほど問題ではないかもしれません。


とはいってもやはり吹き始めから設定圧できちんと出て欲しいという人のために対策はいくつかあります。
<<対策>>
  1. より高性能な他社製レギュレーターと組み合わせる。(デメリット:単品買いはセット販売と比べて割高)
  2. エア調節機能付のドレン&ダストキャッチャーUを追加する。(デメリット:圧力計で正しい圧力を計測できない)
  3. エア調節機能付のハンドピース(例:プロコンBOY WA プラチナ0.3 Ver.2 PS289)と組み合わせる。(デメリット:1と2両方)
  4. L7 レギュレーター/プラチナセット(PS309) を選ぶ。(エア調節機能付のPS289プロコンBOY WA プラチナVer.2がセットされている)


私は2番のドレン&ダストキャッチャーUを追加購入しました。

ドレン&ダストキャッチャーとは水抜き機能の補助とエアー内に混じるホコリを除去するためのツールで、Uはそれにエアー調節機能がついたタイプです。

L7は圧力と吐出量が相応にあるため今まで使用していたREVOと比べると梅雨時や夏場はかなり水を吹きやすくてクレオス製レギュレーターの水抜き機能ではやや心許ない事、そしてカーモデルのような光沢塗装をするのに極力ホコリを排除したい事もあり、渡りに船と思って購入しました。

このエア調節機能はレギュレーターより後ろに付く調整弁なので、圧力計は正しい数値を計測できません(絞ると逆にレギュレーターへの圧が上がるので高く計測される)。

感覚による調整になりますがこれも慣れてしまえば問題なく、手元で調整できるので結果的にレギュレーター側で調整するより使い勝手が良くなりました。しかも持ち手になるので長時間の使用でも塗装作業が楽です。

目視による正確な圧力計測が要るときにはダストキャッチャー側の弁を全開放し、レギュレーター側で調整するようにしています(つまりノーマル状態に戻す)。こうして使い分けることで、私としては何ら問題はなくなりました。

また本来の目的である水抜きとホコリを排除機能も取り付け前と比べていくらかの効果を確認できました。これは買っておいて損のないツールです。

難を挙げるとすれば、エア調節ネジの位置がちょうどグリップ内にあるので、握り方によってはネジが強く押されて弁が少し絞り込まれ、その分エアーが弱くなる事です。最下部に付いてればこうした事もなかったのにと思います。







エアーホース&エアブラシスタンドIIに関して
さてこのL7/エアブラシセット、ご覧のように設置して使っていたのですが、私の作業机は座卓タイプなので床までの高さがないために2mもある1/8ストレートホースを持て余してしまい、ねじれたり絡んだりと取り回しの悪さになんとも困りました。なんでL5セットのように最初からスパイラルホースを付けなかったのか?やはり値段対策なのでしょうか。

そこで別売のスパイラルホースに交換したところ、使い勝手は劇的に良くなりました。(こら全然違うわー)
ストレートホース時 スパイラルホース交換後


使用感の差を調べるため、メインの「プロコンBOY WA」には1/8(S)ホースを、サブの「PC101」にはPSホースを使用しています。
クレオスに聞いた話では1/8(S)は口径が広いので風量が大きく感じ、PSは口径が少し狭いので風量が弱く感じるけどその分圧力がわずかに強くなるとの事。確かに両者の風量差はわずかですが体感的にわかりますし、圧力は圧力計で測定すると0.01MPaほど差が出ていました。

私は1/8(S)サイズのほうがエアーの出方もホースの取り回し性も使い良いと感じました。

※クレオス製レギュレーターの吐出口は1/8(S)用とPS用が各1基ずつなので、両方とも1/8(S)ホースを繋ぐ場合は、PS用吐出口をオプションパーツのMr.エアーホース用Mr.ジョイント(3点セット) PS241の「ジョイント3」で1/8(S)用に変換してやる必要があります。
逆に両方PSホースを繋ぐ場合は、1/8(S)吐出口に付いてるジョイントを外すとPS用になっているので、オプションパーツは別途必要ありません。



ホースに関することでもうひとつ不便な部分があります。それはレギュレーターとコンプレッサーの間の長さが約50cmと短いことです。
L7セットのレギュレーターはコンプレッサー側でなくエアーブラシスタンドに取り付けるタイプなので、このホースの長さでは両者を離して置くことができません。

これはL7がL5よりひとまわり大きいとはいえ十分コンパクトサイズのコンプレッサーで振動もほとんど発生しないので、クレオスは卓上の設置を想定したのではないかと思われます。

でもL7の幅と奥行きは142mm x 170mmでスタンドトレイは135mm x 195mm。両方を卓上に並べるとスペースをそれなりに占領します。


これに対しても対策を考えました。


<<対策>>
  1. L7を単品購入し、Mr.エアーレギュレーターIVと組み合わせる。(デメリット:単品買いはセット販売と比べて割高)
  2. L7セットにMr.直付けエアブラシホルダーを買い足して組み合わせる(デメリット:最低2個必要。エアブラシスタンドIIはムダになる)
  3. ホースを延長する。(デメリット: 今度は置き場所によっては長すぎるかもしれない)


対策1と2の「Mr.エアーレギュレーターIV」と「Mr.直付けエアブラシホルダー」は今年9月発売の新製品でして、L7のフレームに直付けするデザインなので占有スペースはほぼL7だけの分で済みます。(L5にも使用可能)
ただ今のところL7とのセット販売は発表されていませんので、単品買いや買い足しとなると割高感があったりムダなパーツが生まれます。



私は対策3をとりました。
スパイラルホースに取り替えた際に余ったストレートホースをそれに使いまわせるからです。それに購入当時はまだMr.エアーレギュレーターIVと直付けエアブラシホルダーは発売予定の告知さえなかったし。
ホース終端のレギュレーター側は外せないように固定されているので、コンプレッサー側の終端を延長します。

必要なのはMr.エアーホース用Mr.ジョイント(3点セット) PS241。
これの「ジョイント2」と「ジョイント3」を使って1/8ホース同士を連結させることができます。(取扱説明図・応用例C 参照)

結果2mの延長になったのでコンプレッサーの設置場所に自由度が増え、今はエアーブラシスタンドの真下ではなく、少し離れた床面に置いています。

これだけ延長すると風量や圧力が落ちるのではと思いましたが、体感的にも圧力計の目視計測でも何ら変わりありませんでした。






総括
リニアコンプレッサーL7を購入から2ヵ月半使ってみた評価です。(10段階評価)

  • パワー: 7 (ダイヤフラム式コンプには叶わないけど満足レベル)
  • 静音性: 8 (低音量に加え、マイルドな音質と低振動が効いてる)
  • 脈動: 10 (皆無)
  • 連続運転時間: 10 (24時間連続稼動可能)
  • 省スペース: 9 (幅、奥行、高さすべてが200mm以下でコンパクトサイズ)
  • 価格: 7 (模型用コンプとしては売れ筋価格ちょい上くらい)


「静音」と「パワー」という相反する条件をこの価格帯のコンプレッサーで共に満足レベル(大いに満足とまではいかない)を実現したのはポイント高いです。

手頃価格で静かさ優先ならL5、パワー重視ならウェーブ217やエアテックスAPC-001。どっちも譲れないなら高価で大型のウェーブ517かAPC-007というのがホビー用コンプレッサー選びの定番でしたが、このL7はそれらの中間に位置する性格の製品といえます。トップではないけれど、すべての属性で2番手3番手の位置をキープしています。

これをオールラウンドプレイヤーと捉えるか中途半端と捉えるかは個人の判断基準によりますが、私はすごく良い買い物をした気分です。REVOから乗り換えて劣ると感じた点は一切ありませんし、特にオプションパーツを追加してからはかなり理想に近いものになりました。クレオスの新型L7は使える!

強いてあげるとすれば、新たに換気の問題が出てきました。
私の作業机は面してる壁の上面に換気扇が付いてるので、他の窓を開けて換気を良くし、缶式防塵防毒マスクをしていればREVOならミスト対策は何とかなってましたが、L7に変えてからさすがにそれでは追いつかなくなったのです。というわけでクレオスのMr.スーパーブースをつい先日購入しました。



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購入について
コンプレッサーは模型用ツールとしては高価格商品なので極力安く買いたいのが人情。
ネット通販で探していたところ、格安ホビーショップのあみあみで40%引き送料無料という破格の条件で売られていました。

ハンドピースももう一本欲しいところだったので、価格を調べてみると後からピースを買い足すよりセット買いしたほうがずいぶん安くなるので、それなら「この際奮発しちゃえー!」と、フルセットのL7 エアブラシセットPS308を買いました。(当時はまだプラチナセットなかったので)


商品の梱包に関しては問題なし。複合型パソコンプリンターの箱と同じくらいデカい箱に入って緩衝材の紙がたくさん詰められていました。精密機械なので安心。 保証書には日付入り購入店シール同封されています。こういうところが大雑把な量販店はよくあるので、キチンとしてるのはありがたい(現在は納品書を購入証明として省略してる模様)。保証期間は1年間。


クレオスのコンプレッサーが送料無料で40%引きという条件は、私が調べた限りではネット通販最安値でした。(送料は自動配信の注文確認メールでは自動計上されてますが、後日届く請求明細メールにて相殺されていました)

またコンプレッサー以外でもエアーブラシ関連製品が大体30〜40%引きなので、オプションパーツもMr.スーパーブースも色々と調べてまわりましたが、結局みんなあみあみでまとめて買い揃えました。


※PS309とPS319が新たに追加されました。(2014/04)
L7単体(PS254)
(本体のみ)
L7/圧力計付レギュレーターセット (PS307)
(塗装には別途エアーブラシが必要)
L7 エアブラシセット(PS308)
(すべて揃ったフルセット)
L7 レギュレーター/プラチナセット(PS309)
高性能エアブラシ、ハンドグリップフィルター、スパイラルホース装備のハイグレードセット)
L7 プラチナツイン・圧力計付レギュレーターセット(PS319)
(0.3mmと0.2mmエアブラシ2本付セット。ホースは1本なのでワンタッチマックジョイントで付け替える。)
リンク先:あみあみ

※補足(2012/12/27)今はアマゾンも遜色ないほど安いです。
リニアコンプレッサーL7シリーズ【Amazon】
(2008/09/05)



※追記(2010/04/19)
その後プロコンBOY WA プラチナ0.3 Ver.2 PS289も買い足しました。
結論から言うと、予算を捻出できるならL7 レギュレーター/プラチナセットPS309を勧めします。エア圧の安定とホースの取りまわし問題が最初から解決してるだけでなく、エアブラシの性能差がハッキリしていて綺麗なボケ足を出しやすくなってます。
私みたいに後から買い足すと割高ですよ。
今はこんな風にエアブラシ4本体制になっています。
  • PS289 プラチナ0.3mm: メイン使用(買い足し)
  • PS266 0.5mm: 広範囲&サフ吹き用(買い足し)
  • PS267 0.2mm: 細吹き用(買い足し)
  • PS264 0.3mm: メタリックカラー用(PS308セット付属)

さすがにこれだけの重量をこのスタンドで支えるのは無理があるので、金属トレイを100均のクランプで机に固定して使っています。






おまけレビュー エアテックスAPC-002
L7と同価格帯コンプレッサーでどちらにするか迷った結果、エアテックスAPC-002選ばれた方からレビューをいただきましたので対抗機種の参考として載せておます。

APC-002はタンク付きダイヤフラムコンプレッサーで、タンクに貯めたエアーを使うのでモーター振動による脈動が抑えられ、エアーが減るまでコンプレッサーは作動しないので全くの無音状態で使えるのが特徴。

決定理由は、「最高圧力0.5Mpa / 定挌圧力0.4Mpa」というL7の約4倍のパワーを持っていることでした。
将来老眼が出てきたときに作るのが大きな模型に移行するかもしれないので、それを見越してパワーに余裕のある機種を選ばれたとのことです。

以下のレポートの数値は本人様が実際に計測された結果で、APC-002と周辺システム一式は購入から半年以内のほぼ新品状態のコンディションです。


APC-002基本動作説明
  • 最初に電源を入れるとタンクが満タンになるまでコンプレッサーが作動。
  • タンク内の圧力が5.5kgf/cm2になると自動的に電源OFF。
  • タンク内のエアーがある程度減ってくるまでコンプレッサーは作動せず、無音状態で使える。
  • タンク内の圧力が4.0kgf/cm2に下がると自動的に電源ONで満タンになるまで補充される。
タンク内のエアーはどの程度の使用で空になるか?もしくはコンプレッサーが作動するのか?
  • 電源OFFの場合: エアー圧0.2Mpaで吐出し続けて70秒で空。
  • 電源ONの場合: 同条件で吐出すると35秒でコンプレッサーが作動する。
  • タンクへのエアーチャージ時間は、空状態から満タンまで計測結果114秒。
作動音について
  • カタログスペック上は47dBでL7と遜色ない。
  • 実際の音はモデラーなら許容範囲と思うけど神経質な人は気になるかもしれない。
  • コンプレッサーを作動させて窓を開けて外に出てみたところ、「大型の熱帯魚を飼っているのか?」という感じ。


購入から半年近く使い続けて性能にはとても満足しているとの事です。L7と同程度の予算でパワー優先ならこちらが良いかと。


   リンク先: いいお店.ccYahoo!店 送料無料


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