アオシマ 1/700ウォーターラインシリーズ 日本海軍航空母艦 蒼龍 制作記 第8回 艦載機2(99艦爆・江草隆繁少佐搭乗機 / 97艦攻)
第8回 艦載機2(99艦爆・江草隆繁少佐搭乗機 / 97艦攻)
さて前回のつづきです。 真珠湾攻撃で一番派手なカラーリングだった第2次降下爆撃隊隊長江草隆繁少佐が搭乗した99艦爆と、二航戦オリジナル迷彩が施された97艦攻を制作します。
99艦爆・江草隆繁少佐搭乗機
これが江草少佐機のカラーリングです。(月刊モデルアート2000年11月号臨時増刊『真珠湾攻撃隊』新装改訂版より) これを1/700スケールでの再現に挑戦!
赤色は普通の赤より鮮やかなシャインレッドを使いました。赤の発色を浴良くするために下地色のベースホワイトを尾翼に吹いています。 尾翼をマスキングして暗緑色を吹き、機首の防眩塗装はジャーマングレーを筆塗りしました。 この1/700艦載機セットの99艦爆は、ドーサルフィン(垂直尾翼基部から胴体背面に伸びる背ビレ部分)の長さが短く、江草機のカラーリングを正しく再現するのに足りませんので、この後フリーハンドで赤い部分を描き足しました。
さて尾翼と胴体に施されている黄色ラインのマーキングですが、これは適用な黄色デカールを約0.3mm幅の帯状に切って、一枚ずつ貼り込んでいきました。細けー!! 飛行隊長を示す胴体の斜め三本線は、ドーサルフィンのところで左右ぴったり合わせるため、切り口を斜めにカットしてあります。
黄色ラインを貼り終わったところでクリアーを吹いて、デカールを完全に固定します。 これは青の識別帯を上から重ねて貼ったときにずれないための措置です。
クリアー乾燥後、蒼龍艦載機を示す青の識別帯と日の丸デカールを貼り、今度は半つや消しでクリアーコートします。 なお青い識別帯は、一航戦所属機と同じく底側で断ち切れてるとのことです。 次にで250kg爆弾と主脚タイヤを筆塗りします。
マスキングゾルを剥がして窓枠を描き、プロペラとアンテナを付けて完成。 この細かいマーキングの再現がうまくいくか不安でしたが、やればできるもんだ。
97艦攻
97艦攻は爆装2機、雷装2機の計4機を制作。蒼龍飛行隊の97艦攻には真珠湾攻撃時、暗緑色に土色のまだら迷彩が施されていましたので、それを再現します。
面相筆で、迷彩パターンを塗ります。 結構難しいので塗りなおしができるようエナメル塗料を使いました。 筆塗りなのでこのサイズだと塗膜の段差が目立ちますが、(写真ではわかりにくいけど) これに関しては後ほど対策を施します。
日の丸デカールをそのまま貼ると、暗緑色が透けて赤がドス黒く濁ってしまうので、下地に白丸を貼ります。 真鍮パイプの角を研いで刃を付け、白デカールにスタンプすることで白丸を量産しました。 同じ作業を99艦爆江草少佐機にも施してます。
迷彩色の段差消しを行います。 まずはクリアーコート。 本来エナメル系塗料の上からラッカー系塗料を重ねるのはNGですが、エアブラシで薄く吹き重ねていくと出来てしまうんです。力技ですが。 十分吹き重ねて乾燥後、今度は缶スプレー並みにドバッと吹いて厚めの塗膜を作ります。
クリアー乾燥後、1500番と2000番の耐水ペーパーで研ぎ出しを行って段差を削り取ります。 研ぎ出しは主翼だけでなく尾翼にも行いました。
他の艦載機と質感を統一するため、今度は半つや消しのクリアーをコートします。
表面の凹凸具合がわかりやすいように、やや逆光でテカリを入れて撮影しました。 クリアーの吹き重ねにより彩度に少しフィルターがかかったのと、表面がツライチになったことにより、筆描きによるアラがほぼ消えてタンポ印刷に近い質感になりました。 正直ここまで持ってこれるとは思ってなかったです。
前回の99艦爆と同様、キャノピーフレームを描いてプロペラ、アンテナ支柱を付けて完成。 にしてもこんなに手のかかった97艦攻は初めてでした。みんな一体どうやって迷彩塗装しているんだろ?作例もあんまり見ませんね。
二式艦上偵察機(一三試艦上爆撃機・試作3、4号機)
せっかくですから南方作戦とミッドウェイ海戦で蒼龍に搭載された新型の二式艦上偵察機(後の彗星艦爆)3号機、4号機も作ってみました。 真珠湾攻撃時の蒼龍を作ってるので時期的にはおかしいのですが、まあこれはお遊びということで。
こうして完成した暗緑色カラーの艦載機たち。今回は赤城や加賀のときの3倍は時間と手間かかりました。1/700スケールとはいえ、凝りだしたらキリないです。
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