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フジミ リアルスポーツカーシリーズ No.86 |
1/24 メルセデスベンツSLS AMG だぶるじぇい痛車 制作記 |
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第4回: 改造ねんぷち「宇佐美はじめ」を作る
痛車に華を添えるアクセサリーとして、だぶるじぇいの主人公「宇佐美はじめ」のフィギュアを作ります。
そう考えてるうちにそれなら今人気のねんどろいどになったとしたら面白いかもと思って、1/24カーモデルとサイズ的にちょうど良いねんどろいどぷち(以下ねんぷち)を作ることにしました。
製品を複製
といってもフィギュア制作の経験のない自分に一から作るのはハードルが高い!
幸いねんどろいどは各パーツを取替えて表情やポーズの違いを遊べるよう部品が規格化されていますので、製品を複製してそれを芯に作ることにします。
使用するのはけいおんのねんぷち。だってこれしか持ってないから。
おゆまるで型を取り、エポキシパテとポリパテで各部品を複製。
シリコーン型取りと比べると精度はだいぶ劣りますが、一品物で量産するわけではないし、複製品も芯に使うだけなのでこのほうが安上がりです。
造形
スパチュラでパテを盛っては削り、盛っては削りを繰り返して少しずつ形にしていきます。リューターやペンサンダーといった電動工具は粉塵が大量に出るので、ダストキャッチャーとかの集塵機がないと衛生的にかなりつらいですね。特に肺吸入を防ぐのに防塵マスクは必須。防塵グラスもしたほうが良いです。
ボディの方もこんな風に改造。劇中で印象深かった両人差し指を立てるポーズを再現してみました。
キャラに極力似せるため、スタイルもそうですが顔の輪郭もねんぷち本来の規格から微妙に変えてみました。
関節を仕込む
関節を仕込みます。
頭部の首部分をリューターで彫り、ウェーブのオプションシステムからボールジョイント径4mm
BJ-04を中に入れ、接続部を除いてエポキシパテで埋めます。
腕と腰にはポリキャップ内径2mm PC-02、背中にボールジョイント径3mm BJ-03を埋めました。
手首は、さすがにこんだけ小さいポリキャップは規格にないので、ビニールチューブを袖に仕込んで、手首には0.6mm真鍮線を差しました。
ポリキャップの接着には、セメンダイン社のCA-285 【Amazon】のような、ポリエチレン・ポリプロピレン専用接着剤を使います。
表面処理
ここが違うあそこが違うと何度も修正を繰り返してるうちに無限ループに陥り、ものすごい時間を消費してしまったので、いいかげんにこの辺でヨシとすることにしました。だって今の腕前で納得するまでやっていたら多分永遠に完成しない・・・
両腕と左足は交換して別ポーズがとれるようになっています。(制服の胸リボンと交換用左足撮り忘れた)
このあと各パーツにサーフェイサーを吹いてペーパーがけの作業を3回ほど繰り返し、アラのない滑らかな表面にします。
顔を下書きしてみたところ、なんか鼻と頬のラインがイメージと違う気がしたのでここだけもう一回修正。そして口を作りました。そして再びサフ吹き→ペーパーがけ
塗装
下地色にホワイトサフを吹いて、肌部分にキャラクターフレッシュ2を吹きます。そして前髪に隠れたりあごの下など影になる部分にタンを、頬など明るくなる部分にはキャラクターフレッシュ1を吹いて陰影を付けました。
制服は、クレオスのみるきぃぱすてるブルーVer. からウィステリアブルーを使用、そして色ノ源シアンでシャドウを入れました。靴の色も同カラーセットのアクアグリーンで塗りました。
みるきぃぱすてるは自前では混色不可能な発色がとても鮮やかなパステルカラーで、フィギュア系の塗料として重宝します。
髪の色は原作版の茶髪と、アニメ版の水色の二種類の設定が存在するのですが、今回は原作版を選択。
塗装完了。ドライブースにて乾燥中です。
瞳デカール作成
眉毛と瞳はねんぷちのタンポ印刷の雰囲気を再現するために、筆塗りでなくデカールで再現します。
PCで版下データーを作成。
作成したデーターをMD-5500でクリアデカールに印刷して出来上がり。
デカール貼り付け後、クリアーコートして、段差を消すためにスポンジやすりでペーパーがけします。
そしてつや消しクリアーで再コート。
これでニスが目立たなくなりタンポ印刷と同じ品質に見えます。
ただつや消しクリアコートは白くカブるので、色味が幾分薄くなって虹彩の深みが落ちました。ねんぷちの瞳はつや消しなので、この状態が製品版に最も近いんですけどね。
なのでここはオリジナルで光沢仕様に変更することに。ラッカー系クリアーを筆塗りし、乾燥後コンパウンドをかけて表面を滑らかにします。
ねんどろいどは目が大きいので、光沢にすると見た目は良くなるんですが、その代わり撮影時にテカリが入りやすくてディテールが飛ぶので、照明の当て方が難しくなるんですよ。
ねんぷち完成
頭部に前髪を取り付け、あとは各パーツをハメ込めば完成です。
ぱんつの色は劇中に確認できるシーンが全くなかったので無難に白にしときました(笑) 首のボールジョイントはポリパーツなので、食いつきの良いソフビ用塗料のVカラーで塗っています。
アクセサリーのはずがこの子を作るのに痛車の倍近く時間がかかってしまい大変苦労しました。フィギュア造形ナメてました。原型師さんマジ尊敬します。
ディスプレイスタンド&ベース制作
ねんぷちスタンドをディスプレイベースに固定するのに、ハイキューパーツのネオジム磁石とマグネットセッター(吸着用金属板)を使って、マグネット脱着式としてみます。
まずはねんぷちのスタンドを制作。
アクリルサンデー(透明アクリル板)を切り出し断面を研磨、裏側に径5mm x 深さ1mmの穴を掘ってそこにネオジム磁石(丸型4mm
x 1mm)を埋め込みエポキシ接着剤で接着します。ネオジム磁石は超強力なので1個でいけるかと思ってましたが、ちょいと足りない感じがしたので3つ埋めました。
そしてタミヤ透明ソフトプラ材丸棒3mmを、ベースに穴を開けて突き刺し、ねんぷちの背中の高さで曲げて先端にボールジョイント径3mm
BJ-03を埋めました。これをねんぷちの背中に挿します。
2mm透明アクリル板より1.7mm透明プラ板のほうが安上がりですが、加工時にキズやクラックが入りやすいので注意です。
次に痛車のディスプレイベースです。
5mmプラ板に100均で見つけたホログラムテープをタイル状にカットして、色違いを交互に貼り付けていき、これをウェーブのT・ケースMに貼ります。
この柄のアイデアは、第8回タミヤワールド・モデラーズコンテストにおいて、スーパーキッズランド賞を受賞された中澤様・作「GT-R
スパイダー」のディスプレイベースを基にしています。
もっともそちらはこんなのよりはるかに手の込んだすばらしい意匠です。
関連外部リンク:第8回タミヤワールド・モデラーズコンテスト 【タミヤHP】
ネームプレートを作りました。
PC作画した版下をMD-5500のフラッシュシルバーでデカール印刷し、黒塗装したプラ板に貼ってクリアコート+研ぎ出しで完成。
右端の鳥獣戯画のカエルは、漫画を読めばわかりますがこの作品のキーパーソンです。
ねんぷちスタンドを載せたときにネオジム磁石が当たる箇所をモデリングポンチ5mmでくり貫いて、そこに同径のマグネットセッター(丸型用)を貼ります。
くり貫かずにそのまま貼るとマグネットセッターのごくわずかな厚み分(0.15m)による段差のガタが出ますので、ここは手を抜かずにきっちりツライチにしてやりました。
ねんぷちを載せて、ガタが出てないか、吸着力は十分かをチェックします。
痛車のほうは、ベースの裏側からネジで固定しています。締めすぎによってサスアームが壊れないように、シャーシーとベースの間に透明プラパイプのスペーサーをかませてあります。
完成!
ボディ表面にタミヤモデリングワックスを、タイヤにアーマーオールを塗布してさらにツヤを出して、ぶるじぇい痛車の完成です。ケースにもモデリングワックスを塗るとホコリが付くにくくなります。
自作デカールでいくつかのトラブルに見舞われたこと、そしてねんぷちの制作が予想外に難しかったために、当初の予定の倍近くの制作期間で4ヵ月半もかかりましたが、自作デカールの痛車、フィギュア共に初挑戦ということで、色々学ぶものがありました。
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