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フジミ・エンスージアストモデルシリーズ1/24
ランボルギーニカウンタックLP400の制作
第三回 インテリアの制作・塗装
シートの塗装
今回のインテリアカラーは依頼者からシートは白、ダッシュボードは黒と指示されていましたのでそれに沿って進めていきます。
表面処理をしたパーツにサーフェイサー、ベースホワイトを吹いて下地を作ります。白は革の質感を出すためわずにフレッシュを混ぜ、さらに半つや消しならぬ3/4つや消しにしました。そしてシートのステッチ部やフロアの谷部にスモークとクリアイエローを薄く吹いてメリハリを付けました。実際は下の写真より濃くなっています。
さらにフロアは白の革張りになっていませんので黒に近いグレーをつや消し塗装しました。





ダッシュボードの制作
カウンタックのイグニッションキーシリンダーはハンドルコラムにあります。これを再現しますが、そのスペースがありません。そこで蛇腹を一段カットし、その分プラ板でスペーサーをかませてスペースを確保しました。シリンダー部はプラ棒の輪切りです。
ウィンカーとウオッシャーレバーは作業の邪魔なので切り取ってしまい、後から真鍮線とビニルパイプで再制作。

塗装は少し青とグレーを混ぜた黒を使用。ダッシュボードはそれを強いつや消しにしたものを砂吹きして梨地表面にしスエード調を再現。ハンドル部は3/4つや消しにして質感を変えてます。エア吹き出し口や蛇腹部はセミグロスブラックで塗装。
こういう同系色が多い部分は素材の違いを光沢差によって表現し、模型にメリハリをつけてやるのです。





キャビンの制作
フロアカーペットは今回本当の布を使ってみようと思い、手芸店で売られているフェルトを使いました。裏面がシールになっているので使いやすく、ラバーソールの部分はタバコの銀紙を着色したものです。
ペダル類はアクセルのみオルガン式になっていますが、キットは他のペダルと同じパーツで吊り下げ式になっていますので、切り離して上下ひっくり返し床に付けます。アクセルペダルの横には保護用の金属板がありますので、これをアルミテープで再現。


シフトノブはロッドをステンレス線に交換、シフトゲージは今回よろずや製カウンタック用エッチングパーツを使用してみました。
操作パネルはシルバーの上からスモークとクリアブルーを吹き重ねて深みのあるブルーガンメタリックとし、シガーライターはきちんと穴を開けて各スイッチは細かく塗り分けました。
シートベルトはモデラーズ製のベルト地で、金具はカウンタック用エッチングパーツからです。




イグニッションキーの制作
1/24スケール自動車模型の場合、イグニッションキーはまず再現されていません(あたりまえです)。しかしオーバースケールでもいいからこれを作ってやると随分見映えが違ってきます。
LP400のキーがどのような形なのかわかりませんが、アニバーサリーのキーは手元部分が樹脂で覆われていますので、これを参考に自作してみました。赤いのは皮製のキーホルダーのつもりです。モデラーズのシートベルト地を使いました。こういうアクセサリーをさりげなく足すのも「らしさ」のポイントです。




インテリア完成
こうして完成したキャビンをシャーシーと接着します。これでクルマの土台と中身は完成。あとはボディの制作です。
ちなみにエンジンルームのリア側の縦板はボディとはめ合わせるときに相当なテンションがかかるので、ご覧の通り三角形の梁を何枚も入れて補強しました。




基本色の塗装
今回のボディカラーに関して、依頼者から「バーントオレンジ」にして欲しいと強い要望がありました。なんだか聞きなれない名前でして、無論そんな色模型用カラーにありません。
デザイン用のカラーチャートを調べてみたら日本の伝統色に「樺色(かばいろ)」という色がありまして、それの英語表記がバーントオレンジになっていました。具体的には「赤茶けたオレンジ」のことです。
サーフェイサー吹き+磨き上げを二回行ってライトまわりの改造痕を完全に消した後にベースホワイトを吹いて下地とし、それにボディカラーを吹きました。
さらにクリアーコートして乾燥後に研ぎ出しをかけ、続いて細部を塗り分けていきます。




リトラクタブルヘッドライトの組込み
正面の黒い部分をヘッドライトユニット本体とツライチにして塗装による別パーツ表現をしたため、この段階でライトのレンズ部を接着し、内部全面にアルミテープを貼り付けて、反射した光が漏れないように底に蓋をしました。
ヒンジ部のシャフトはビニールコードを被せて緩み止めのポリキャップ代わりにしました。
次にシャフトを受けてヘッドライトユニットをボディに固定するパーツを、最良の開閉状態になるように形状を調整しました。またこのパーツはボディへの接着面積が少なくて外れやすいので、三角形の梁を入れて絶対外れないように補強しています。



リトラクタブルヘッドライトの開閉テスト。
第三回で課題になったパネルラインの隙間調整も無事クリア出来ました。動作時の硬さや引っかかりがなくて極めてスムーズで、シャフトのビニールチューブがほど良い滑り止めとなってイイ感じです。苦労しただけあって1/24プラモデルのリトラクタブルライトとしては最高の精度と開閉感を実現できたと自負します。




ポップアップドアの組込み
キッチトのドアヒンジは設計にやや無理があるので、下のイラストのように若干作り変えてみました。
(1). ダンパーのストッパーをカット
(2). シャフト近くの接合面には真鍮線を仕込んで耐久性と剛性を強化
(3). ダンパースリットの上下幅を広げてドアの大仰角に対応
(4). プラ板による新リンク部。軸受けを作って動作をスムーズにします。
(5). ビニール線を輪切りにしたストッパー。ダンパーに接着
(6). 軸受けが外れないように接着面を追加して耐久性を強化。
(7). 先端を球面加工してドアパーツ内での滑りを良くしました。





エンブレムの制作
ランボルギーニのエンブレムとリアコンビネーションのロゴはエッチングパーツです。特にエンブレムはシルバーで塗装後にデカールを貼り、クリアーを時間をかけて何層も重ね、実物と同じく3次曲面の透明樹脂で覆われた立体的なエンブレムを作りました。





細部の調整
ボディとシャーシーを合体し、細かい部品を取り付けて調整します。
エッチング製ワイパーはフロントガラスのクリヤーパーツに傷を付けやすいので、ブレードにマスキングゾルを塗っておきました。ナンバープレートは依頼者指定のものを新造(プライバシー保護の為モザイク処理)。
フォグランプは中にアルミテープを貼ってありますが、開いていた穴に合わせて折り目や奥行きを持たせて、マルチリフレクターのような深みのある輝きにしました。
ヘッドライト前のシグナルレンズボックスは奥目になっているのでチリ合わせしましたが、そういするとクリアパーツ側面に隙間が出来てしまうため、パーツの枠部分のみ分厚く改造して対応しました。





完成
依頼者からのご指定でクリアケースはWAVEのT・ケース (M)、土台部分はタミヤの情景シート「石畳A」です。
なお、クリアーパーツの接着にはクリアーボンドを使用し、ボディ表面とケースにはツヤ出しとホコリ付着防止のためタミヤモデリングワックス、タイヤは樹脂ツヤ出し保護剤のアーマーオールを塗り込んであります。


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