プラモデルの展示、作り方解説、アイテム情報とか
 HOMEツール レビュー>This page
ノモ研2 プラモデルを作ろう!
「NOMOKEN2(ノモ研2)」はプロモデラー野本憲一氏による模型製作のハウ・ツー本第2弾で、今度はスケールモデルの製作に特化した内容になっています。
2006年9月発行。オールカラー114ページ。

誌面レイアウトはほぼ同じですが、ノモ研が模型製作における個々のテクニックの解説が中心になっているのに対し、このノモ研2は作例の製作手順の解説が中心になっており、それを通して必要なテクニックを随時紹介していくという実践的な形がとられています。

そのため巻末には知りたいテクニッックからも検索できるように「逆引きインデックス」が載せられています。


この本はノモ研の続編という位置付けですが、ノモ研を持っていない人、読んでいない人をカバーするために最初の20ページほどはプラモデル製作における一連の流れについてのざっくりとした解説や、ツール・マテリアル紹介、基礎工作術の解説が載せられており、ノモ研のダイジェスト版のような内容になっています。



プラモ製作に必要なツールとマテルアルの紹介



基礎製作術の解説




そしてこれ以降のページではカーモデル、エアモデル、AFVモデル、レジンキットと各カテゴリーごとの製作法解説といういう誌面構成になっています。
その流れをカーモデルのページを例にとって紹介すると・・・



1.各部名称の解説。

こうした実物の機能や構造を知ることは、理にかなったディテールアップや改造を行ないやすくなったり、モチベーションを上げるのに一役買います。



2.使用キットのレビュー。

パーツ構成や製品の特徴解説。そして仮組みによるキットのパーツ同士の合いやプロポーションチェックが行なわれます。



3.製作記を通したステップ・バイ・ステップ方式のテクニック解説。

ここがこの本のメインですからかなり詳しく解説されています。


4.最後に完成画像と製作ポイントの解説。



こういう流れでプラモデルの各カテゴリーごとにオーソドックスな作例と手の込んだ作例をそれぞれ1種類ずつ紹介しています(ただしレジンキットは一種類だけ)。ひとつの作例に割り振られているページ数は大体10ページほど。

コンテンツの詳細を以下に書き記しました。


各項目 解説内容
1.プラモデルを作ってみよう タミヤ 1/35 陸上自衛隊計装甲機動車(入門者&初心者向けの素組み作例)
組み立てる!
1.パーツの切り出し! / 2.形を整える! / 3.接着! / 4.組立ての一区切り / 5.素組み状態
カラーリングをほどこす!
6.塗装 / 7.デカールを貼る / 8.汚し塗装 / 完成!
2.基本テクニックをマスターしよう 1.プラモデル製作に使う工具と素材 / 2.組立ての前に / 3.部品を切り離す / 4.接着 / 5.部品の形を整える / 6.塗料と塗るための道具 / エアブラシでの塗装
3.カーモデルを作ってみよう ACT.1 アオシマ 1/24 ホンダオデッセイ アブソールト(市販車のオーソドックスな作例)
キット解説 / 組立ての流れ / パーツの仮組み〜整形 / 缶スプレーによるボデイ塗装 / クリアー塗装 / クリアーパーツを磨く / 細部塗装1 モールの塗装 / 細部塗装2 クリアーパーツの塗り分け / 細部塗装3 エナメル塗料を使った塗り分け / シールでメッキ仕上げ / 塗装後のパーツ接着 / 室内、シャーシーパーツの仕上げ / ボディとシャーシーの取り付け / 台座やケースに固定する場合

ACT.2 ハセガワ 1/24 スバルインプレッサWRC 2005 2005ラリー メキシコウィナー
(ディテールアップパーツ、大きなデカールを多用したカーモデルの作例)

キット解説 / ボディパーツ整形 / 室内パーツの整形 / エッチングパーツの使いこなし / ボディ塗装 / デカールを貼るための準備 / デカールの貼り付け / デカールのクリアーコート / ボディ細部の塗り分け / 斜光シールの水貼り / シャーシーの塗り分け / タイヤデカールの貼り付け / 塗装後の組立て
4.エアモデルを作ってみよう ACT.1 ハセガワ 1/72 川崎 T-4 ‘航空自衛隊’(エアモデルのオーソドックスな作例)
キット解説 / 組立ての流れ / 仮組みと合いの調整 /コクピットの製作 / 機体の組立て1 / 継ぎ目消しとモールドの修復 / コクピットの継ぎ目の仕上げ / 機体の組立て2 / 細部パーツの取り付け / 脚の製作 / 機体塗装の進行 / 機体色塗装 / 翼端の塗り分け / スミ入れ / デカールの貼り付け / キャノピーの塗装 / フラットクリアーでツヤを整える / 最後の組立て

ACT.2 タミヤ 1/48 ダグラス A-14J スカイレーダー アメリカ空軍
(迷彩塗装、ウェザリング、ディテールアップを行なった作例)
キット解説 / 迷彩塗装の準備 / 機体下面の塗装とマスキング / 機体上面色の塗装 / 塗り分けのトリミング / マスキングで塗り分ける場合 / キャノピーの塗装 / パイロットフィギュアの塗装 / 機体色塗装とマーキングの完了 / 塗料の剥がれを描き込む / シャドー吹き / ウォッシング / 排気汚れを描き込む / ピトー管、銃身を自作する / アンテナ線を追加する
5.AFVモデルを作ってみよう ACT.1 タミヤ 1/35 陸上自衛隊74式戦車(戦車模型のオーソドックスな作例)
キット解説 / 組立ての流れ / 砲塔の製作 / 砲塔細部の製作 / 車体の製作 / 車体の塗装 / 細部の塗装 / ウェザリング塗装(退色、色のハガレ・剥げチョロ・サビ汚れ) / 足回りのウェザリング / 陸上自衛隊74式戦車実車写真集

ACT.2 タミヤ 1/35 陸上自衛隊90式戦車(ディテールアップを行なった作例)
キット解説 / ディテールアップに入る前に / 手すりを自作する[1] / リベットの追加 / ワイヤーロープの変更 / ハッチ固定チェーンの追加 / エッチングパーツの基礎知識 / ヘッドライトガードの取り付け / ボアサイドミラーガード / 砲塔バスケットメッシュの追加 / ジェリカンラックの製作 / 用品固定ベルト / スモークディスチャージャー / その他のエッチングパーツ使用部分(ワイパー・止め具、リベット) / 塗装前の下地処理
6.特別編
レジン/メタルキットを作ってみよう!
スタジオ27 1/20 フェラーリF2004
キット解説 / 素材の特徴(レジン・ホワイトメタル・エッチングパーツ) / レジンパーツの整形 / メタルパーツの整形 / ウィングの製作 / サスペンションの組立て / ステーのハンダ付け / パーツの流用 / 表面処理と下地処理 / ボディ塗装 / カーボン調の塗装 / リベットをピン頭で再現 / 最後の組立て
コラム プラモデル以外のキットたち(バキュームフォームキット・レジンキット・メタルキット) / 展示と保管について(ケースに入れて飾ろう!・保管する場所)


ハウ・ツー本である以上は読者のほとんどが実践できないような名人級の技を紹介しても仕方ないわけで、載っている作例は手の込んだ物でも最近よく耳にする「超絶技法」が施された物ではありません。あくまでどうすれば見映えの良い模型が作れるかという「上級クラス」に指針を置いたものです。ですから野本憲一氏の匠の技を堪能したい、自分のものにしたいと考えてる人にとっては期待はずれに終わると思います。

じゃあ上級者にとっては別に必要ない本かというと一概にそうとは言い切れず、例えば結果としては同じものを完成させるのであっても、もっと効果的な工程を発見したりと、やはり締め切りという限られた時間の中で常に最大の結果を出し続けるプロの手の内を知ることはプラスになることも多いです。
かくいう私も、独学に偏るのではなく一度きちんとプロの作り方というものを知っておきたいと考え、内容を確認して納得した上で購入に至りました。

惜しむらくはスケールモデルの本なのに艦船模型は全くのノータッチであることですね。これは著者の野本憲一氏が艦船モデラーではないので仕方のないことなのかもしれません。

(2009/01/20)


ノモ研 2 野本憲一モデリング研究所 プラモデルを作ろう (Amazon)



関連ページ


 ▲ このページの上へ
 HOMEツール レビュー>This page

メール 画像・文章の転載・二次使用について 掲載広告と免責事項
Copyright(C) Omami All right reserved