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装載艇のディテールアップ
内火艇やカッターといった装載艇は、水上機や艦載機と同じく模型をリアルに見せるためのキーアイテムで、特に戦艦や巡洋艦ではかなりの数が甲板上に露天係止されていていますので、その効果は大きいです。
そこで装載艇のディテールアップを色々と考えてみました。

今回ベースとしたのは、ウォーターラインに同梱されている装備品リニューアルパーツもしくは別売の大型艦兵装セット【amazon.co.jp】に付いている装載艇ですが、ピットロードの艦船装備品Eシリーズ【ノースポート】でも同じことが出来ますし、ビッグスケールモデルの装載艇パーツにも応用が利きます。



11m・12m内火艇
作例にしたのは12m内火艇ですが、11m内火艇も外観はほぼ同じです。

リニューアルパーツの内火艇には窓がモールドされていません。

塗り分けるだけでもそれっぽく見えるのですが、よりくっきりさせるために汎用メッシュを貼り付けました。使用したのはハセガワトライツールのモデリングメッシュ正方形(L)。




いかにも『取って付けた』感を抑えるため、メッシュ周辺に溶きパテを塗って乾燥後ペーパーがけし、段差を埋めます。

エンジンルームから出ている排気口(?)を0.2mm真鍮線で追加。
潜望鏡みたいに前方へ湾曲した形をしてますので、線を曲げたあとにカットして再現しました。




手すりを作ります。
艦船用の手すりでは支柱のピッチが合わないので、これも汎用メッシュを使いました。画像はファインモールドのAE18 汎用アクセサリーメタルメッシュ正方形・09【Joshin Web】を切り取って使いました。

支柱になる部分はこんな風に長さを互い違いに変えてあります。
長い部分を甲板への差し込みしろにするためです。




とはいえ、こんな小さいパーツの甲板のキワに均等な間隔で穴を開けるのは難しいので、舷側に溝を彫って、差込みしろを埋めることにしました。

でも実際の内火艇の手すりは結構内側に付いていますので、可能なら甲板の上に穴を開けたほうがよりリアルになります。手すりを取り付け、溝をパテ埋めして形を整えます。



エポキシパテで舷側のクッションを作りました。また舵が省略されているので、0.3mmプラ板で再現します。
排気口は艦首にもう一基ありましたので追加。0.2mm真鍮線で旗竿と救命浮標を再現し、塗装して完成です。関連ページ:救命浮標の作り方

マストは艦載時には外されていたようなので再現しませんでした。舷側のクッションの色は明るいクリーム色としましたが、資料によっては濃いグレーになってるものもあります。
反省点は、キャビンの形は台形みたく末広がりになっているのに、メッシュで窓枠を追加したことにより形が変わってしまったことですね。次回作る機会にはその辺りを詰めたいと思います。





9mカッター
9mカッターのディテールアップに関しては、ジョーワールドからJPE16r IJN9mカッター【ノースポート】 というものすごいエッチングパーツが発売されており、これを使えば最強の9mカッターが出来上がるのですが、あえて自作でどこまで出来るか挑戦してみました。

0.3mmプラ板で舵を作って取り付けます。

突き出しピン跡は、カッターの底にもやはり大きく残ってます。
甲板に据え置く場合はともかく、ラジアルダビッドに吊り下げる場合はバッチリ目立つので、ここはパテ埋めしたほうが良いでしょう。




オールを自作します。

0.3mmプラ板にスリットを入れ、そこに0.2mm真鍮線を接着します。
オールの形になるようプラ板を点線の部分でカットします。



プラ板は真鍮線より0.1mm分厚いので、両面にペーパーがけをしてツラ合わせをします。
このとき、オールの先端に行くにしたがってだんだん薄くしてやると一層それらしくなります。




塗装します。
カッターとは違う色にして目立たせたかったのでウッドブラウンで塗りました。

実際のオールの色は、木材そのままの色だったとか白く塗られていたとか、さまざまな説があるようです。




カッターにオールと救命浮標を並べて出来上がり。

ジョーワールド製品には及びませんが、ノーマルと比べると見違えたと思います。
ちなみにカッター用オールの市販パーツは、
※リンク先はいずれもノースポート
これらの製品にも付いてますが、いずれも数本分がまとめて一体パーツ化されているため、あまりオールらしく見えません。多少オーバースケールになっても、1本ずつバラけた物のほうがそれらしく見えます。





内火ランチ
作例は12m内火ランチですが、11m内火ランチもほぼ同じ形です。

ランチの船尾にはごつい四角モールド(エンジンルームのハッチもしくは舵手の足場?)がありますが、ここには色々ディテールを追加したいので切り取りました。




舵台を再現しました。舵輪は0.2mm真鍮線で作っています。艦尾の手すりは汎用メッシュで再現。使用したのはハセガワトライツールのモデリングメッシュ正方形(L)。

資料を見ると、実際の手すりは支柱同士の間隔がもう少し広くとられています。



エポキシパテで舷側のクッションを作り塗装して完成。
艦尾には旗竿と救命浮標、舵を追加しました。切り取ったエンジンルームのハッチ(ぽいの)も一回り小さくして再現。
(2007/01)



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