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大和ミュージアムと尾道ロケセットの画像がイタリアのミリタリー誌に載りました |
2007年6月9日 |
話はかれこれ一年ほど前にさかのぼりますが、イタリア海軍退役軍人で現フリージャーナリスト兼軍事歴史研究者のマウリジオ・ブレシア氏という方からメールを頂きました。
ブレシア氏はネットでウチの1/1 Photo Reportの大和ミュージアムと尾道ロケセットのページを見つけ、ご自身がライター活動をしてる『STORIA
MILITARE』というミリタリー月刊誌の記事にしたいので画像を提供して頂きたいとの旨でした。(印刷用に解像度を落としていないマスターデーターが欲しいとの事。)
自分の撮った写真が外国の軍事雑誌に載るなんてとっても名誉なことだぞ。というわけで下記の条件付きでOKの返事をしました。
- 画像の出所が当サイトであることを明記すること。
- 画像の著作権は自分にあるが、そこに写ってる1/10戦艦大和と映画のロケセット自体は大和ミュージアムと東映の所有物である。その著作権がこの場合どうなるのか自分はわからないし関与もできないので、両企業に直談判するなり貴社の判断で対処すること。(一応メールアドレス調べて教えておきました)
あとはこういう事情なので、もし報酬を考えてるなら受け取れないとの話もしました。
てか、こういう場合って出版社からはお礼の一筆と記事の載ったサンプル誌が送られてくるくらいで、ギャラが出ることはまずありません。あったとしてもそこの刊行物を何冊かいただけるなどの現物支給。私の過去の経験上これは万国共通のようです。
ブレシア氏はとても律儀な人で、参考までに私の今までの記事を一度見て欲しいと、すぐに月刊STORIA
MILITAREのバックナンバーを3冊とPDF化したご自身の記事録のCD-Rを送ってきました。これは彼なりの配慮だったのかも。
で、それ以降は特に何も連絡がなかったので、結局企画がポシャッたのかなあと、そんなことも忘れた今頃になって『例の記事を載せた2007年5月号が発刊されたので一冊親展させていただきます』とのメールが届きました。ブレシア氏と出版元のTuttostoria社から許可をもらったのでその一部を載せるとこんな具合です。
表紙&内裏表紙
記事抜粋
Courtesy of "STORIA MILITARE", an Italian monthly magazine published
by Albertelli Edizioni Speciali srl, Parma, Italy (http://www.storiamilitare-aes.com/) whose editor is LtCdr Erminio Bagnasco, Italian Navy (Ret.)
該当の記事は6ページで、それと表紙・内裏表紙への画像掲載を合わせて計8ページでした。(ただし内裏表紙の一番下の写真2枚は私のじゃないので、別のところから調達したものと思われます。)
イタリア語で書かれているので記事の詳細はわかりませんが、大和型戦艦の解説、大和ミュージアムの展示物、男たちの大和と映画ロケセットについて書かれていました。転載の条件とはいえ、誌面のあちこちに私の名前がクレジットされているのがちょっとこっ恥ずかしいです。
実は同じようなオファーはこれまでにも色々な国の出版社から来てるのですが、実際に発行にまでこぎ着けたのはSTORIA
MILITAREが初めてです。この場においてブレシア氏とTuttostoria社に感謝の意を述べさせていただきます。
海外での『男たちの大和』の評価
『男たちの大和』は、最近になってやっと正規版DVDがヨーロッパの一部に流通し始めたようでイタリアもしかり。掲載が遅れた理由は、このときのために記事をプールしてたんじゃないかなと推測します。
イタリアでは『男たちの大和』は街のDVD店やネットショップで購入できますが店頭には滅多に並んでおらず、注文して取り寄せる形になるそうです。だから一般からの認知度は低いのですが、元々イタリアの艦船ファンの間では日本海軍は人気があるため(模型コンペでは日本艦が1/4を占めている状況)、彼らからの評判はすごぶる良いとのこと。
ある軍オタ掲示板では、我が国にも戦艦ローマの映画や巨大模型を展示する博物館が欲しいと盛り上がってるそうです。
またフィンランドでは『男たちの大和』のDVDは15禁のR指定作品としてDVDショップに並んでるのだそうな。私が話を聞いた同国のジャーナリストによるとマスメディアからの印象は良く、フィンランドを代表する新聞『Kauppalehti』では映画の内容を好意的に評価する記事を載せていたとのことでした。
あとアメリカとスペインのネットフレンドにも聞きましたが、こちらでは未だに売ってないのだそうです(もしかしたらアメリカは州によって違うかも)。特にスペインは『男たちの大和』以前に日本映画自体がほとんど供給されていない状況だそうな。
でもたとえ正式にリリースされてなくても、海賊版やYouTube、P2Pなんかで非合法モノが出回ってますから興味ある人はとうに見てるらしく、彼らに日本人特有の『滅びの美学』が正しく理解されているのかどうかはわかりませんが、『まるで大和が本当に蘇ったみたいで感動した』とのことで、映像的には高評価の様子でした。
ただ今回聞いた中ではいずれも劇場公開されたという話はなく、戦争映画はどうしてもその国のプロパガンダと受け取られてしまう風潮がありますし、ましてや日本の映画ということでそれぞれの国の事情が多少なりとも働いているのかもしれません。
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