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大和ミュージアム 呉市海事歴史科学館 〔1〕

2005年12月9日 広島県尾道市  写真:おまみ・N君・Inochan  文:おまみ



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午前中に尾道の実物大ロケセットを見た後、午後からは呉の大和ミュージアムへ訪問しました。

呉駅構内に装飾されていた垂れ幕噂どおり呉市の中心街は同ミュージアムとタイアップして戦艦大和一色になっており、JR呉駅や隣接する大型ショッピングモール「You me(ゆめ)タウン呉」内ではあちこちに広告装飾やグッズ販売を目にします。
さらに臨時駐車場には既に観光バスが山のように乗り入れており、もうオープンから半年以上経ってるのに一体どんだけ人集まっとんねんと思うくらいの人気振りでした。歴史博物館でこういうケースは珍しいのでは。呉市にとっては大和様様ですな。(笑)

ただ、我々は先に「歴史の見える丘」を見学したために入館したときにはもう夕方の四時ごろになってましたので入館者のピークタイムはすでに超えており、結果かなりゆったりと展示物を見て回ることが出来ました。

ちなみに大和ミュージアムの駐車場は有料(1時間100円)ですが、You meタウンに設けられてる臨時駐車場は無料でしかも大和ミュージアムまで徒歩でたった2〜3分程度なので、こちらにとめた方がちょっとセコいけどお得です。私はその浮いたカネを、帰りにYou meタウン内のスタバでお茶代として呉に落としてきました。




1/10戦艦大和
チケットを買って入館すると、「大和ひろば」と呼ばれる3階吹き抜けのホールに1/10戦艦大和は飾られていました。巨大感という瞬間的なインパクトでは尾道の実物大セットに適いませんが、作り込みの密度はこちらのほうが遥かに上。そして金属をはじめとしたマルチマテリアルで作られてるだけあって質感・重量感が違う。
工芸品や美術品を思わす仕上がりで聞きしに勝る凄まじさ。こりゃ間違いなく史上最高の戦艦大和の模型です。

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この戦艦大和の模型、製作は山本造船という呉の造船業者が請け負い、新たなリサーチによるに図面の引き直しから始まって素材の選別や工法など徹底的にこだわった結果、作業は困難を極めたそうです。そのため費用は2億円にも達し、なんと進水式まで実際に行われています。匠の技と情熱によって完成したという点では本物の戦艦大和に通じるものがありますね。

またその製作費用は地元の実業家によって賄われたそうで、ホールにはその人からの寄贈プレートが飾られていました。
そこには自分が旧制中学時代、造船所からは深夜まで鋼を叩く音が聞こえていて製鉄の火で夜空が明るかったこと、その後呉湾に浮ぶ大和の姿を見て感動したこと、そしてこの世界一の巨艦を生んだのは呉であり、市民はそれを誇りに思って忘れないで欲しいというメッセージが刻まれていました。




艦首部分
艦首は艦橋と並んで軍艦の顔。フェアリーダーの膨らみ形状や旗竿、錨甲板のディテールの細かさには舌を巻いてしまいました。

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主砲・副砲周辺
主砲・副砲は内筒にきちんとライフルリングも彫られてある精巧さでした。写真にはそこまで写ってないけどね。
また一番・二番主砲まわりの特設機銃座の形状は定番の円筒型で再現されており、尾道ロケセットで再現されていた八角形型とは相違が見受けられます。どっちの考証が新しいのかよく知りませんが。

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艦橋・煙突
艦橋は高さが4メートルほどもあり迫力満点!映画「男たちの大和」で尾道ロケセットに合成されたことでも知られてます。さすがにこの大きさともなるとディテールがすごいことになっており、超巨大精密模型の偉大さを感じました。

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高角砲・機銃など
シールド付高角砲に砲身基部の防水キャンバスまで再現されている大和の模型は初めて見ました。射界制限枠や増設時期による機銃シールドの形状差も手抜かりなく再現されています。

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艦尾部分
艦尾部分の形状はリサーチが進んでいないことから何かと論争のタネになりやすい部分で、この模型ではわりと平坦にぶったぎったような処理がされていました。

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ホントはどこかの設定資料集みたいに各部のさらなるアップ画像を撮りたかったところですが、いくら1/10の巨大模型とはいえそれほど接近出来るわけでもないので私のデジカメではここまでが限界でした。8倍以上のズーム機能があれば、もっと使える画像がいくらでも撮れたのになあと思います。やはりいい画を撮ろうとすれば、それなりの機材も必要ですね。

またこの大和の模型、うしろの壁が南向きの全面ガラス張りになっているため、人気撮影スポットの正面側からは完全に逆光になってしまい、撮影は多くの人が苦労していました。それこそ下から見上げるように撮ると、左の写真のようになってしまうんです。

なぜ大和の向きをこんな風にしたかというと、これは昭和20年2月に呉海軍工廠に入渠した時の状況を再現しているのだそうです。また同ミュージアムのエントランスは北側にあるので、客に対して尻を向けるのはいかがなものかという考えもあったのかもしれません。

あとその日には広島の地元テレビ局が取材に来ており、インタビューに答えてる館長の戸高一成氏を見ることが出来ました。とはいってもタレントさんじゃありませんからほとんどの人は気付いてなかったようです。


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次のページでは、戦艦大和乗組員の遺品や零戦、回天など特攻兵器の資料展示室を紹介します。


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