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フジミ初のフィギュアプラモの初音ミクを作ります。
2014年4月に発売されたこのキット、多色成型とスナップフィット、ドライデカールの組み合わせにより、接着剤不要、塗装不要となっています。
パチ組みだけでガンプラのように鮮やかなカラーの初音ミクが出来上がる簡単設計で、先鋭的な製品の多いフジミのイメージを転換させる入門者、初心者にやさしい製品です。
詳細なレビューは発売当時のブログ記事に載せてありますのでそちらをどうぞ。
でもせっかく公開するのですからパチ組みではなく、思うところに手を入れた自分なりの作り方をしていきます。
第1回: 下地処理と塗装
下地処理
このキット、頭と手のひら以外は合わせ目が出来るので、各部ごとに組み立ててパテ埋めします。
左右の手足はパッと見判別がつかないほど似てますので、マスキングテープなどでタグを付けて分かるようにしておくのが良いです。
ただ胴体と手足のパーツは合いが良いので、パテが面倒なら、接着剤を厚めに塗って合わせたときにはみ出た部分を硬化後に削るだけでも結構いけます。
そして最も段差と隙間が出来るのは、ツインテールの先の部品です。
こういう箇所はパテ埋めしただけでは上からサーフェイサーを吹いてもその跡が浮き出てきます。なので「サフ吹き→ペーパーがけ→サフ吹き」を跡が消えるまで何度も丹念に繰り返します。
顔のパーツは、あごの部分に少しヒケがありますのでここも表面処理します。
口の改造
顔のパーツは差し替え用が余分に2つ付いてます。それに眉、目、頬の色、口のデカールを自由に組み合わせて好きな表情が作る事ができます。
しかし笑顔や困り顔など用の開いた状態の口までもデカール表現になっており、そのため立体感に乏しいのが残念ポイント。
なので開いた口はデカールを使わずに立体造形することにしました。エンピツで下書きし、モデリングチゼルやルーターを使って彫り込みます。彫った箇所はプラが薄くなるので、あらかじめエポキシパテで裏打ちしておきます。
塗装
無塗装でもOKな多色成型のキットをわざわざ塗装するからには単色ベタ塗りではなく、陰影を付けてより立体的な雰囲気に仕上げていこうと思います。
今回は肌色の表現に普通のフレッシュではなく、GSIクレオスの美少女フィギュアフレッシュセットを使ってみました。
このカラーは、オレンジ系の下地色&上塗り色、ピンク系の下地色&上塗り色の計4色セットで構成され、下地色の上に上塗り色を透過度を調整しながら吹く事により、繊細で鮮やかなグラデーションを再現する事ができるという、一歩踏み込んだ美肌再現塗料なのだそうな。
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同梱されている説明書です。カラーの使用方法が解説されています。(クリックで拡大)
発色が良くなるようホワイトサーフェイサーをあらかじめ吹いておいて、下地色「キャロットオレンジ」を塗装。さらにその上から影の部分を残して光の当たるところを中心に上塗り塗料「ペールオレンジ」を吹き重ねます。
色彩にさらなるタッチを加えるには、上塗りの前に頬や鼻先、顎などハイライト部にあらかじめホワイトを軽く吹くようインストには書かれているのですが、私はそのやり方が苦手なので、ペールオレンジの上からさらに明るい色であるガイアカラーのノーツフレッシュでハイライトを入れました。(クレオスのキャラクターフレッシュ1に相当)
さらに鼻柱にキャロットオレンジで影を、頬にコーラルピンクで「ほてり」をほんのわずか入れました。
表情デカールを貼りました(水転写タイプの方)。
基本となる「すまし顔」は印刷済みなので、成型色をそのまま生かして陰影だけ軽く入れようと印刷部分にマスキングゾルを塗って塗装していたのですが、ゾルを剥がしたら一緒に印刷も剥がれてしまいました(泣)。なので交換用の顔と同じ塗装を再び行ってデカールを貼っています。
見比べてみると、やはりドライデカールより水転写デカールのほうが仕上がりが数段美しいです。
パッと見影の部分が多いように見えますが、それらの大部分が髪で隠れてしまうので、位置合わせしながら塗るとこんな感じになりました。
(クリックで拡大)
このカラーセットを使ってみた感想としては、確かに自分で調色するにはかなり難しいであろうすごく良い色が出ます!ただ下地色と上塗り色の掛け合わせで発色させる塗料なのでエアブラシ専用ですし、またその技法自体もモロ上級者向けです。そこを普通に塗るだけでOKな単色カラーセットなんだと勘違いすると、お高い買い物になってしまうでしょう。
なのでお手軽に塗りたいなら従来のキャラクターフレッシュ、さらに上を目指すならこのセットという使い分けが賢明かと思います。
髪の色はガイアカラーのストーングリーンを使用。
メーカー公式の解説に、「あのメカやあのキャラクターの髪の色にぴったりです。」とまで書かれている専用色です。
影の部分には、色ノ源シアン:3、イエロー:1程度の割合でブレンドしたものを吹いています。色ノ源は透過タイプの原色カラーで、混色しても色が濁らないので、ソリッドカラーの調色にホント重宝しています。
この写真ではわかりにくいですが、手足も真っ黒ではなく黒に近いグレーで塗装し、影部に黒を使っています。
スカート端と袖の水色ラインは、公式イラストを見ると内側にも付いてるのですが、キットにはそのラインがありませんし塗装指定図もここを見落としています。
ここを再現するようマスキングするには、コンパスやディバイダーを使って線を引いておくと楽です。
初音ミクのぱんつは縞パンとの事なので、それを再現(笑)。
股の可動範囲確保のための脚の入る部分がぶかぶかに設計されているので、白のままではどうもオムツみたいに見えてしまうのですよ。
脚の入る部分のマスクにはねり消しゴムを使用。
次回に続きます。
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