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フジミ ちび丸艦隊シリーズ No.1 No.2
大和 / 武蔵 制作記
ちび丸艦隊を大人げなく作る!
フジミの新製品「ちび丸艦隊シリーズ」の第1-2弾の大和・武蔵のテストショットサンプルを以前ブログで紹介しました。

部品数が少なく接着剤いらずの簡単スナップフィットキットなのでその場でパチ組みしたところ、思いのほかよく出来てまして、決して子供だましのクオリティじゃない事に軽く驚きました。これは中々いいと思って、きちんと彩色して作ることに決定!

メーカーのやっつけ見本写真では伝わらないそのポテンシャルの高さをフルに伝えるべく、「素組み」という条件付きで大人げなく全力で作りました。




軍艦色塗装
ノンスケールのデフォルメモデルという事で、通常の艦船模型のようにスケール感にこだわる必要もないと思い、グラデーションを多用してモールドの起伏を目立たせる黒立ち上げ塗装を行いました。ガンプラでMAX塗りと呼ばれるアレです。

下地色(ジャーマングレー)→軍艦色2→軍艦色1

という順で色を重ねて塗装しました。




木甲板塗装

アオシマ蒼龍作って以来久しぶり!

例によって木板一枚ずつマスキングしてエアブラシ塗装します。根気とセンスの勝負です。




まずは濃い色と明るい色をランダムに塗装。




中間色を加えます。




下地が透けるくらい薄めた塗料で同様の作業を3〜4回繰り返し、上塗りすることで色に深みを出していきます。

そして大和坂などエッジにシャドウを入れて輪郭を浮かび上がらせます。



塗装を重ねるうちに、ただでさえ浅い木甲板モールドがさらに浅くなってしまったので、ダイモテープをガイドにしてクレオスのMr.ラインチゼル0.1mm刃で彫りなおしました。縦方向だけでなく横方向も彫りなおします。そして薄めたエナメル塗料のオリーブドラブでウオッシングしてスミ入れを行います。




メタリック塗装
探照灯をメッキシルバーNEXTで塗装。
主砲、副砲、高角砲は、見映え効果を狙って砲身の内筒を、ガイアカラーのメタリックマスターで希釈したスターブライトブラスで塗り分けてみました。パーツ自体に内筒と外筒の境界モールドはありません。穴開けパンチ【Amazon】 で打ち出した円形マスキングシートで塗り分けています。(高角砲は筆塗り)





ウェザリング

タミヤ1/350大和と同時に発売された限定品のウェザリングマスター 日本海軍艦船用【Amazon】 を使ってウェザリングを行います。



木甲板色を甲板表面にランダムにこすり付けて微妙なムラを出し、適度な使用感を表現してみました。



舷側モールドにはスミ入れを行った後、ハイライト処理にグレイをドライブラシして起伏を浮かび上がらせました。
これすごいいい感じ!



錨甲板や高角砲甲板など、滑り止めパターンのある個所にも同様の処理を行いましたが、こっちはより目立たせるために白パステル粉を混ぜて、さらに明るい色にしてやりました。



吃水線のキワやモールドの窪みにアカサビをスポンジでたたきつけて適度な錆表現を入れました。
コミカル系キットという性格上あんまり小汚いのは似合わないので、ごくわずかに使用。


このウェザリングマスターはセミウエットのパステル粉みたいなもんなので、特にエッジは手が触れると簡単に色落ちしますから、スーパークリアーつや消しでコーティングしました。

結論から言うと、このウェザエリングマスター日本海軍艦船用は使えます!
模型用塗料でドライブラシするのと比べて簡単でしかも色乗りが良く、よりキレイに仕上げやすいです。色味を変えたいときは、今回みたいにパステル粉をブレンドすればOK。





シール貼り

艦橋各所に設置されている探照灯、信号灯は、肝心の反射鏡が省略されていますので、ハセガワ・ミラーフィニッシュ【Amazon】を穴開けパンチで打ち抜いた物貼りました。



第一艦橋の左右両側にある22号電探は、一応再現されてるもののラッパ型にはなっていないので、筒内部の白塗りだけでも再現しました。
ホワイトデカールをクレオスのMr.リベットマーキング【Amazon】 の0.45φ刃でくり抜いたものです。丸が小さすぎて穴開けパンチでは打ち抜けないので。





塗装修正
そんなわけでダラダラ作っているうちに、ちび丸艦隊のボックスアートが発表されました。

 大和 ボックスアート & 武蔵 ボックスアート 【画像:Amazon
これを見ると、主砲、副砲の砲身基部が防水キャンバスとして描かれています。パーツを見てここはてっきり駐退機だと思ってたのに・・・



ここまで作ってしまってるのでもう無視しようかと思ったけど、この手の模型は色数が多いほうが映えるので渋々塗り直す事にしました。

マスキングして黒立ち上げ塗装。さすがにこんなに小さい個所に0.3mmエアブラシでは難しいので0.2mmを使用。





大和、武蔵のハイブリッド化
大和と武蔵のキットは別々に発売されますが、手元のサンプルには両方のパーツがあるので、完成後でもどちらにも組み変えられるようしました。ただし改造はナシの方向で。



今回のサンプルには木甲板パーツに大和用と武蔵用の両方の部品を差し込むダボ穴が開いていました。

大和ならここに増設高角砲甲板を載せるので穴が全部隠れるのですが、武蔵にすると副砲を載せるのでいくつか穴がまる見えになってしまいます。

組立図がないので武蔵の場合これをどうやって隠すのかわかりませんし、またそれに見合う部品も見当たらなかったので、ポンチで打ち抜いた0.3mmプラ板を貼って目隠ししました。

なのでますは武蔵仕様で制作。
大和にするときはここをめくって専用パーツと交換します。



これが副砲の代わりに載る大和用の増設高角砲と機銃パーツ。シールド付高角砲の砲身は共用するので取り外しています。





張り線
張り線はディテールアップではないかという声も聞こえてきそうですが、昔からWLのインストに載っていたこの工作法は、自分的にはその範囲外なので行います。コミカルなデフォルメモデルに張り線というミスマッチも案外面白いのではという実験。

ヤードから垂れてる信号旗掲揚ロープを、白く塗ったナイロン製テグス1号で再現。

でもこの艦橋、ヤードがめちゃくちゃ広いうえに信号所甲板の位置が煙突との干渉を避けるためにえらく高い位置になっているので、なんか扇子の骨みたいになってしまいました。



その他の張り線はモデルカステンのメタルリギング0.15号【Amazon】 を使っています。
まず最初に後部艦橋と三角マストを取り付け、それを支えるテンションワイヤーを張り、次に煙突を取り付けてそこから逆方向ワイヤーを張ります。

左下画像は、瞬接で点付けした金属糸に、ジェットオイラーを使って硬化促進剤を吹き付けてるところ。
詳しくはModel Tech Tips空中線の張り方硬化促進剤を参照。
マストの旗は1/700大和のデカールをコピーして使用。ちび丸艦隊の製品版にもどうやらシールで付いてくるようですが、同じ柄のものかどうかは現時点で不明です。「非理法権天」の幟は本来武蔵には付いてませんが、取り外しができないので勘弁を。



さらに前部艦橋を取り付け、そこからの空中線を張ります。
線をピンと張るため強く引っ張ると、マスト反対側の線がたわんだりするので。その調整が難しいです。



上部構造物を木甲板に取り付け、艦首と艦尾の旗竿へ伸びてる空中線を張ります。ここは最も負荷がかかるので、硬化促進剤をしっかり吹き付けて強固に接着します。

そして接着部分各所に塗料をタッチアップして、接着剤跡を消します。








最後に舵とスクリューを取り付けます。

スクリューはどれも同じに見えて、実はピッチの向きに方向性があるので間違えないようにします。





完成
まずは竣工時の武蔵の姿にて完成。
Model Galleryには大和の姿も載せていますのでご安心を。

ちなみに置台は同社1/24エンスージアスト・カウンタックのエンジン用ディスプレイ台を流用しています。

時間的には余裕があったので、こだわりながらものんびりと作っていたら、全長11cm程度の小さな模型なのに約1か月もかかってしまいました。製品版の発売日が9月28日予定なのでホントにギリギリですね。

(2012/09/27)




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