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ハセガワ 1/700 SCALE ウォーターラインシリーズ・ディテールアップ
旧日本海軍航空母艦 赤城 制作記 |
第一回: 船体の改造
ここはまず船体をイメージどおりにするのに切り刻むことをします。そのため完成からどんどん遠ざかっていくような錯覚を感じました。
■スポンソンの制作
船体からは前後左右に4枚のスポンソンが一体化されてますが、初期のWLの定番で、支柱が板状にモールドされています。
ほかにも形状が違ううえにブルワークが分厚い、高さが足りないと問題だらけなのですっぱり切り落とし、新造することにしました。そうなると他のスポンソンとの釣り合いがとれなくなるので、この際全部1から作りなおしました。切り取った後をペーパーがけでツライチにしてやります。
1mm厚のプラ板からスポンソンを切り出し、0.3ミリプラ板で2〜3ミリ幅の帯を作って、スポンソンの断面にその形状に合わせて貼り込んでいきブルワークを作ります。赤城は他空母より多層構造のためスポンソンが多いので大変な作業でした。
■船体中央部の修正
船体はかなりのディテールが省略されてます。というより違うものに近いです。
左舷の高角砲裏は一段奥までえぐれてるのが正しいです。右舷の煙突取りつけ部も奥に入り込んでるので、シャークソーでそれぞれの部分を切り取り、プラ板を組合わせて正しい形状に作りなおします。特に煙突の取り付け部は傾斜になってるので注意します。
この作業をすると、船体の左右にかかっている補強部分を切ってしまうので、強度を保つため割り箸を中に仕込みました。
■船体後部舷側の修正
赤城は船体に対して飛行甲板の左側を広くとってる構造になっています。
そのため後部スポンソンの張り出しの長さが左右で違うのですが、キットは左舷の船体後部の甲板に近いところが段になって急に外にはりだしてスポンソンの長さを補ってる形状になってます。
そこで左舷後部はキャットウオークから上を全部切りとってしまいプラ板で作りなおしました。
それによってジャッキステーのモールドもなくなってしまうので、0・3o真鍮線で作りなおすことにし、そうすると右舷後部もバランスをとる必要があるので、モールドを全部削り落としました。ここはものすごいヒケが出てる場所なので、このときにポリパテで修正しておきます。
ジャッキステーを真鍮線で作りなおすと、オーバースケールではありますが、驚くほど見栄えがよくなります。
■艦載機搬入口の制作
キットでは舷側の後端からいきなり搬入口のシャッターになってますが、写真をみると、舷側の後端より少し奥まったところに搬入口があるように見えますので、後端部分を前部切り取り、プラ板の積層で全部作りなおしました。
それにしたがってその分だけ奥に延長された甲板をプラ板で足してやり、舷側の断面は薄く削りこんでおきます。
■船体中央部の修正
煙突前にある右舷高角砲指揮所と主砲射撃指揮所のトラス構造支柱は舷側に板状にモールドされていて、反対側は右舷高角砲指揮所下の応急木材のある鉄格子はやはり船体に強引にモールドされています。
ここはもう1から作りなおしますので、すべて削り取って面を真っ平らにしておきますが、このキットはプラがカチカチなのでこの作業はとても大変です。さらに左舷は艦橋前が一段奥まってるので、この部分をシャークソーで切り取りプラ板で裏から塞いで再現します。
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右舷煙突基部前のこの部分を平らに整形 |
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左舷のこの部分にある段差を再現 |
■飛行機格納庫の修正
飛行機格納庫は別パーツになっていて、本体との合いが悪く、かなりの隙間が生じます。ここは本来船体とツライチなので、ポリパテで修正してやります。飛行機格納庫はジャッキステーがモールドされてますが、全体の統一のため削って真鍮線で作りなおしました。
なお、飛行機格納庫を取りつけるまえに、その下に隠れてしまう最上甲板を先に塗装しておき、汚さないようにマスキングしておきます。
この部分は板張りかどうかは不明らしく、今回は模型栄えがするよう板張りの塗装を施しました
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