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MR. HOBBY Master Book

10月19日モデルアート社から発売されたMr. HOBBY Master Book(ミスターホビー マスターブック)です。



この本はGSIクレオスがMr. HOBBYブランドで販売している模型用品の手引書でして、とりわけ塗料に関してその特性、通常色と特色の色見本、混色見本を掲載といったカタログでは追い切れない詳細な部分にまで踏み込んだスペシャルな内容になっています。

誌面では長谷川迷人ことプロモデラーの長谷川伸二氏と、呉雄グン君、サンちゃん姉弟(昔モデルアートに連載していたグンゼ産業による製作指南コーナーのイメージキャラ「グンちゃん、カラ子ちゃん」のオマージュ)の3人がナビゲーターとして話を進めます。

※青い枠の画像はクリックで拡大します。
模型店で不審者が男児と女児に話しかける事案が発生!リアルなら「おまわりさーんこっちです!」でおしまいですが、それでは話が続きませんのでそうはなりません(笑)。 下地色と重ね塗り色の組み合わせの色見本表。ビビッドカラーの発色を良くしたり、調色せずに明度と彩度を調節して落ち付いた色調に整えるテクニックにご用達!



塗装のテクニックのガイドもあり、空気遠近法、光沢を調整して素材感を表現する方法、筆塗りとエアブラシでの表現差、今や10種類にも増えたサーフェイサーおのおのの使い分け方などが載っています。
これらのハウ・ツーはモデルアート誌面でも今までに何度か提案されてますが、その記事をピンポイントにチェック出来たり定期購読してる人ばかりでないので、こういう増刊でまとめてあるのは助かります。

スケールによって色を変える空気遠近法の解説。近くの物はくっきり見えるけど遠くの物はかすんで見えるというアレです。 同じ色でもつや消しの度合いの差で、素材の違いを表現する方法。ウィノーブラックに、フラットベースのスムーズ、スタンダード、ラフ各種を添加した色見本付き。



この本のメインコンテンツであり最大のウリである、ブレンド専用純色カラー「色ノ源」を使った調色レシピとMr.カラーシリーズのカラーチャート表。既存の色見本のようななんとなく雰囲気が伝われば良い程度の簡易な物ではなく、塗装されたマーブルをすべて同じ条件下で撮影した物なので、光沢・つや消しの度合いやメタリック・パール系カラーなども実物に近い質感で掲載されています。
調色による色の濁りがなぜ起きるのか、赤と青を混ぜた例でわかりやすく解説しています。そしてそれを回避する純色カラー「色ノ源」の紹介。 GXカラー「白・赤・黄・青」、特色セット「ザ・グレイ」の計8色に、色ノ源の「シアン・マゼンダ・イエロー」を加えた変化を見る調色実験。(左下に続く)

(右上の続き)GXカラー「クールホワイト」に色ノ源各色を単色混合した場合と、2色混合した場合の色相変化。この実験を各色でそれぞれ行っています。 上級者も案外知らないとされる希釈したクリアーカラーを上手に塗る裏ワザ、そしてクリアーに色ノ源を加えてオリジナルのクリアーカラーを作るレシピの一例とその色見本。

ラフシルバーを下地に、Mr.カラーのクリアー色とMr.カラーGXを使ったキャンディ塗装の色見本。17色分載っています。 Mr.カラーの色見本。メタリック系やクリスタルカラー、クリアカラー、ガンダムカラー、ガンダムマーカーシリーズ特色セットと、ほとんどの色を掲載。

カラーチャート掲載色

Mr.カラーシリーズ
  • Mr.カラー: 169色
  • Mr.カラー・スーパーメタリック: 7色
  • Mr.メタルカラー: 9色
  • Mr.カラー城: 6色
  • Mr.カラー色ノ源: 3色
  • Mr.カラーGX: 7色
  • Mr.クリスタルカラー: 8色
  • Mr.メタリックカラーGX: 17色
  • Mr.クリアカラーGX: 11色
ガンダムカラー/マーカー
  • ガンダムカラー・ガンダムカラースプレー: 15色
  • ガンダムマーカー: 16色
  • ガンダムマーカー・ジオン軍6色セット: 6色
  • ガンダムマーカー・先細タイプ6色セット: 6色
  • ガンダムマーカー・ガンダムSEEDベーシック6色セット: 6色
  • ガンダムSEED DESTINYマーカーセット: 6色
  • ガンダムマーカー・BB戦士三国伝セット: 6色
  • ラメパールマーカーセット: 3色
  • ラメパールマーカーセット2: 3色
  • ガンダムマーカー・リアルタッチマーカー: 10色
  • ガンダムマーカー・スミいれ/極細タイプ(油性): 3色
  • ガンダムマーカー・スミいれふでペン(水性): 2色
  • ガンダムマーカー・スミいれペン流し込みタイプ(素組み専用): 3色
特色セット
  • 陸上自衛隊戦車色カラーセット: 3色
  • 日本陸軍戦車前期迷彩カラーセット: 3色
  • 日本陸軍戦車後期迷彩カラーセット: 3色
  • NATO軍ドイツ連邦戦車色カラーセット: 3色
  • 航空自衛隊洋上迷彩カラーセット: 3色
  • 航空自衛隊アルミナイズドオールドタイマーカラーセット: 3色
  • WW II アメリカ陸・海軍機/イギリス空軍機インテリア塗装色: 3色
  • WW II アメリカ海軍機標準塗装色: 3色
  • WW II イギリス空軍機前期・砂漠塗装色: 3色
  • WW II イギリス空軍機中・後期期標準色: 3色
  • 日本海軍工廠標準色: 3色
  • 日本海軍日本船舶迷彩色: 3色
  • ANA旅客機カラーセット: 4色
  • みるきぃ☆ぱすてるカラーセット グリーンVer.: 4色
  • みるきぃ☆ぱすてるカラーセット ブルーVer.: 4色
  • みるきぃ☆ぱすてるカラーセット レッドVer.: 4色
  • Mr.カラーセット ザ・グレイ: 4色


ただし本物に近い色味といっても印刷物なので、2010年に発売された「モデルアート増刊・プラモデルカラーガイド」の巻末に付いていた実際の塗料によるカラーチップほどの完璧なマッチングは期待できないです。そこは2,000円を切る価格の本ですから仕方のない事かと。



誌面後半はクレオス製エアブラシ用品や工具類の紹介になっていてカタログ的な意味合いが強いです。製品によっては使い方が詳しく解説されています。

エアブラシの構造と使い方、メンテナス法について。 クレオスの新製品で、色鉛筆感覚で使えるウェザリング材「ウェザリングライナー」の使い方とその作例。


数年前に色ノ源が発売されたとき、これで特色以外は物理的にあらゆる色が自分で調色可能になって、模型用塗料もついにここまで来たか!と思う一方で、こんなの混色のカラーチャートなり手引書でもないと素人には扱い切れないぞと感じたのですが、この本はその時の私の要望を満たしたもので、自分で色を混ぜて使ったり、模型に塗装指定図とは違う自分なりの配色をする人にとっては便利で強い味方になってくれます。
一方塗料と塗装用具以外のツールのガイドとしては、カタログプラスアルファ程度の情報量と割り切ったほうが良いでしょう。

モデルアート社の増刊や別冊ムックは発行部数が少ないのか完売したらそれまでで、余程のことがない限り重版されない印象を受けます。今回のようなガイドブックを重宝するユーザーは一定数いるでしょうから、出版社は売り切れ御免ではなくメーカーの新色に合わせて数年に一度のペースで改訂版を出しながら定期的に発売し続けて欲しいところです。




Mr.HOBBY Master Book (ミスターホビー マスターブック) 2013年 11月号 [雑誌] 【Amazon】
【楽天ブックス】 【セブンネット】 【NEOWING】

(2013/11/05)
※誌面画像はモデルアート社の許諾を得て掲載しています。



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