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ホーザン HC-56 卓上消磁器
ホーザンの卓上消磁器HC-56を使ってみた感想です。





帯磁してしまったピンセット

某模型メーカーの精密ピンセット。
不満のない性能にお手頃価格で良品なんですが帯電しやすいのが玉にキズ。

自分の保管の仕方が悪かったのか、ここまでひどくなるとエッチングパーツやピアノ線など小さな金属部品をうまくつかむことが出来なくなります。

実売価格が1000円程度なのでそのたびに買い替えていたのですが、同じピンセットがいっぱい貯まってしまい、使い捨てる事をもったいなくて割り切れない性格の自分には精神衛生上よろしくありません。







マグネタイザーを試してみる
そして替えたばっかの新品が3日目で帯電した事をきっかけに「もうアタマに来た!」と消磁を試みる事にしました。

帯磁はハンマーで叩いてショックを与えたり、コンロであぶったりすれば消えると教えてもらったのですが残念ながら効果なし・・・それに試しておいて何ですが、たとえ消磁出来たとしてもその方法だと精度が狂ってしまう可能性大で、精密工具であるピンセットにはちょいと無理があります。



どうしたものかと思っていたところ、今度は「マグネタイザー」という製品があると聞きまして、価格も500円以下と安いので某社の製品を買ってみました。

本来はドライバー用着磁器のとして販売されている物のようです。



説明書によると、消磁する場合はマイナスの穴にピンセットを入れ、少しずつ引き抜くとなっており、完全に消えない場合は何度か繰り返すとの事。



結果はこのとおり全然ダメ。
何度やっても安全ピンがいっぱいくっついてきます。


Amazonレビューなんかには良評価もありますので程度によっては問題なく使えるのだと思いますが、今回のケースでは無理でした。





ホーザンHC-56消磁器を試してみる


中途半端なのを買っても金の無駄と分かったので、高品質ピンセットで有名なホーザンの電気式消磁器を買いました。

定価だと8,610円もしまして、Amazonにてギリ6000円台でした。高いなあと思いますが、他の消磁器も軒並みこの位の価格もしくははるかに高い・・・つまり一般家庭用でなく基本業務用の製品なんですね。入ってた箱もなんの意匠もない真っ白な箱でしたし。

大きさといい形といい電子蚊取器そっくりです。しかし作りは価格相応のしっかりした代物なのでご安心を。そしてずっしり重い。


《HC-56 取扱説明書》
クリックで拡大 クリックで拡大
ホーザンに確認を取りましたが、こいつには普通の家電品のように保証書は付いていないとの事。ただ不具合については使用期間や状況、購入先などをふまえた上で確実に対応しますとの返事もいただきました。


ググるとホーザン公式のデモ動画がYouTubeにありました。




同じようにやってみました。

まずタッチ式スイッチに触ってオン状態に。
本体側面にライトが点きます。




スイッチは3秒ほどで切れるので、その間にピンセット先端を上面の黒い消磁・着磁スポットに付けて一秒ほど保持、そして離すと消磁完了。これをスイッチが切れるまで付けていると逆に着磁になるとの事。


やってみたところ、ピンセットを近付けると電気風呂に入った時のようなビリビリした振動が手に使わり、磁力でスポットに吸着します。

なんか肩凝りにも効きそうな独特の感覚です(笑)。



で試してみたら安全ピンが引っ付かない。

これはすごい!と思いましたが、実際に使うエッチングパーツのように軽いものならやっぱり引っ付いてきました。('A`)


よく見たらデモ動画も小ネジみたいな重い物引っ付けてたもんなあ・・・一般工具だったらそれでOKかもしれないけど、吹けば飛ぶような模型の部品の場合それでは困る。



そこでつまむ部分の先端だけタッチするのでなく、側面とか色んな面から何度か消磁する事でようやく完全に引っ付かなくなりました。



しかし今度は背面にも引っ付く事が判明。

どうやら長い期間放置していた間に帯磁が進行して先端だけでなくピンセット全体が磁石と化していたようです。ひでぇ・・・



「対象物全体が帯磁している場合は、消磁・着磁スポットの上を通過するように移動させます」と説明書にありますのでそのようにしてみたところ、今度こそ完全に消磁する事が出来ました。


めでたしめでたし。





感想
強力に帯磁してしまった工具の完全消磁をしようと思えば、最低これくらいの消磁器は要るという事でしょう。 製品についてはデモ動画のように一発消磁とまでいかなかったものの、何度も行う事で完全消磁の効果を見せてくれたので満足してます。これからは帯磁に神経質にならず安心してピンセットを使う事が出来ます。

ただ手持ちの工具を一通り消磁をしてしまったらそう滅多に使う事はありませんので、コストパフォーマンスを考えたらピンセットを買い替えるのとどっちが得なのかは疑問が残ります。私みたいに使い捨てにストレスを感じる人や、高価な工具を使ってる人、職業でピンセット使ってる人には実に頼りになる代物です。


HOZAN HC-56 卓上消磁器 【Amazon】




予防策
そしてそれ以前の話として、ピンセットはドライバー等の着磁工具とは離して保管する、買ったときに付いてる保護キャップをなくなずに、使用後は必ず付けるようにするといった予防策をとるのも大事です。

ピンセットの鋼材としてよく使われるステンレス鋼は帯磁に強いと一般的に言われていますが、調べてみると実際にはステンレスにも色々種類があって、今回のように磁性のある物が使われていたりするので、そこが気になる人は購入時にチェックしたほうが良いかと思います。マトモな商品には大体記載されていますので。
《参考外部リンク》


また高価ですが帯磁しにくかったり非帯磁タイプの物もありますので、予算に余裕があるのならそういう製品を選んでおけばより安心でしょう。

ちなみに私が現在使ってるのはシモムラアレックの精密ピンセット「BILL」シリーズでして、材質に帯磁しにくいSUS304を使っており、半年以上使っていますが今のところ帯磁はなく気持ち良く使えています。
細かい部品のホールド性も良好で、刃物とピンセットは値段に比例するという例を絵に描いた製品かと。

次はホーザンのP-850番台やケイバの非磁性精密ピンセット、ダイヤモンドコーティングピンセットとか使ってみたいですね。超高いけど・・・


(2014/02/18)




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