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自作用デカールを無駄なく使い切る

左画像はWAVE製クリアデカールのジャケットですが、実際の使い方においてこんな風にデカール全面にびっしり印刷することは極めて稀だと思います。それこそ小さなコーションやロゴを数点刷るだけで終わるケースのほうが多いかと。
なのでちまちま切り取っていくたびに残りデカールがだんだん小さく、四角形ではなくガタガタの形になってしまい、ひいては紙詰まりの原因になります。かといってそのたびに端を真っ直ぐに切っていたら無駄が多くもったいなくて仕方ありません。
そこで決して安くない自作用デカールを、極力無駄なくキレイに使い切る方法を考えてみました。

まずはデカールの版下をPCで作成。

それを普通紙に印刷します。
左画像のようにMDプリンターでページ合成する場合は手差しで印刷。

印刷箇所に位置合わせ用の線を引きます。

ここにそのサイズに合わせたデカールをマスキングテープなどで貼り付けます。このとき紙にシワがよると紙詰まりの原因になるので注意。
またデカールの大きさは多少余裕を見て切り取る事。ギリギリすぎるとデカールと普通紙の段差の影響を受けて印刷がかすれやすくなりますし、さらにはプリンターヘッドの故障の原因にもなりかねません。
そしてその紙で再度印刷すると、デカールの上にうまく印刷が出来ます。
この方法ならデカールを必要最小限に小分け可能で極力無駄なく使えます。
以上MDプリンターでの印刷例でしたが、インクジェットプリンターやカラーレーザープリンターでも同じ事です。
下画像はCanon PIXUS MP600でケイ・トレーディング社のミラクルデカールに印刷した例(ベーススプレー使用)。この場合給紙方法は前面カセットでなく後ろトレイを選択してやります。
印刷を失敗したデカールの再生(MDプリンター限定)
これはMDプリンターユーザーには今さら周知の事かもしれませんが、印刷を失敗したデカールは廃棄せずともインクを落として再生する事ができます。
以下の画像は白下地の印刷がかすれたために黄色にムラが出来て失敗した例。
MDプリンターはインクリボンの幅ごとに印刷していく仕掛けになってまして、デカールは紙よりインクの食いつきが悪いので、印刷面積が小さいとうまく定着せずにかすれる事が時々あるのです。ホワイトインクリボンを確認してみると、ズバリその症状が出ていたのがわかります。

デカールの四方をしっかり目張りし、エナメル系塗料用うすめ液を表面に塗ります。
しばらくするとこんな風にインクがペロンと剥がれます。
隙間からうすめ液が進入しないよう目張りはしっかりとする事。

キムワイプで拭いて乾かせば再生完了。
ティッシュで拭き取る場合は、表面にチリやホコリが残らないよう気を付けて下さい。MDプリンターはそれらを極端に嫌います。
そして今度はかすれないよう版下の位置を少しだけ下にずらし、印刷の継ぎ目が均等になるようにして再度印刷しました。今度はホワイトインクがきれいに抜けて印刷成功!
なおインクを落とす場合は印刷してから早めに落とす事。長い間放っておくと、インクを落としたときにその痕が残ります。
インク表面の耐性を上げる

MDプリンターのインクは紙と違ってデカールには定着力が弱く、擦っただけでキズが入ったり剥がれたりします。
表面の耐性を上げる方法として、ページ合成で光沢仕上げインク(もしくは光沢仕上げ2)を表面にコートする方法があります。
光沢仕上げでコートされたデカールは市販のシルクスクリーン印刷デカールのように鮮やかに発色するのですが、摩擦による耐性の向上は体感的には毛が生えた程度です。(個人の感想です)
でもうひとつの方法が、マイクロスケール社のリキッドデカールフィルムを塗布する事。
この製品は水に付けた途端バラバラになるような劣化デカールの修復剤でして、デカールに塗布すると乾燥後に透明で柔軟な耐水性皮膜を形成して補修するという超スグレ物。こんなに便利なのになぜか最近品切れ状態で滅多に売っていない・・・
これを使うと表面が透明な軟質フィルムでコートされた事によりいくらか擦れに強くなった事を体感出来ました。
デカール表面を犯さないんで水性ぽいですが、そこそこ速乾性なので手早く塗らないと筆ムラが出来てしまいますのでそこだけ注意ですね。

↓インクジェット用デカール(ミラクルデカール)にも試してみたところ一応使えました。

このリキッドデカールフィルム、ネット通販を調べましたが入荷の不安定な外国製品なせいか現在どこもかしこも品切れ状態で、購入可能だったのはあみあみくらい。しかしダース販売て!バラで売ってください・・・
 
マイクロスケール MI-12 リキッドデカールフィルム(デカール修復液) 12個入りBOX[M.Sモデルズ]
【あみあみ】
※ALPS MD(マイクロドライ)プリンターは、最終モデルのMD-5500も2010年5月をもって販売を終了しています。
現在の入手方法は中古ショップやネットオークションでレストア品や中古品を手に入れる以外ありません。(消耗品は現在も販売しています。)
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