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 方位測定儀(ループアンテナ)の作り方
方位測定儀日本海軍の方位測定儀(ループアンテナ)は小さいですが、クレーンやトラス支柱とともに艦船模型に精密感を与える結構重要なパーツです。しかしキットのものは当然ながら円の真ん中が抜けていない形状で製品化されています。

今のご時世ですから当然エッチングパーツ化はされていますが、それらは個別艦艇専用ディテールアップパーツに付属している場合が多く、キットがもう一つ買えるくらい高価です。しかも予備はありませんから、組み立てに失敗して足りなくなった場合には目も当てられません。

でも真鍮線を使って自作すれば、費用はほんのわずかで抑えられますし(0.2mm真鍮線の価格は、長さ500mmが10本入りで500円程度)、数は好きなだけ揃えられます。
最初はなかなか上手くいきませんが、コツを掴むと割合簡単に量産できるようになります。

非常に細かく相応のスキルも要る作業なので誰でもお勧めというわけではありませんが、エッチングパーツの扱いにも馴れて当然のようにディテールアップをされているくらいの方なら、チャレンジしてみるもの良いかと思います。




■製品化されている方位測定儀

キット内に入っているリニューアルパーツ

リニューアルパーツの方位測定儀射出成型の限界で、方位測定儀だかなんだかよくわからない代物になっています。肝心のループ形状が全く再現されていません。
また、テンションワイヤーを表現したのでしょうか支柱が台形になっています。




エッチングパーツの方位測定儀エッチングパーツ

右の画像はファインモールド AM-14 日本海軍・艦載機用パーツセット・前期【JBook】のもの。専用台座付きで2基ぶん付属しています。

またハセガワでは など、個別艦艇専用パーツには大体付属しています。

海外製品では、 などがあげられます。





■方位測定儀の自作方法

ループアンテナの作り方-1-その1

ピンバイスの刃などの真円率の高い棒に0.2ミリ真鍮線をずれないようにしっかり巻きつけます。
今回の作例は1/700用なので1.2mmの刃を使いました。



ループアンテナの作り方-2-その2

巻きつけられた真鍮線のアップ。
3回ほど巻きつけますと、これ1つで1セット分が生産出来ます。



ループアンテナの作り方-3-その3

直線部分と円部分の終端を、ラジオペンチやニッパーを使って直角に曲げます。

次に曲げた部分と合わさる円部分を二重分まとめてカットします。



ループアンテナの作り方-4-その4

カットするとこのようなリング型とカギ型パーツが1個ずつ出来ます。
各パーツの終端は左右が微妙にずれて合わさらないようになっていますので、ペンチの平らな部分で挟むなどして形状を修正します。そして輪を閉じてしまわずにほんのわずかだけ隙間を空けておきます。



ループアンテナの作り方-5-その5(完成)

2つのパーツを直角に組み合わせます。
輪の開いている部分に、組み合わさる輪がはまるように瞬間接着剤で固定して出来上がり。
支柱の部分は使用する長さに合わせてカットして使います。

コツは最初つけるときはゼリー状瞬接で仮接着し、その後液状瞬接を流し込んで固めることです。





ループアンテナの作り方-5-使用例

自作方向測定儀の使用例。

キットのパーツと比べればその精度は雲泥の差で、エッチングパーツと比べてもクオリティの劣るものではありません。
さらに耐久性も高くて頑丈です。

支柱から放射線状に伸びているテンションワイヤーを表現したい場合は0.2〜0.1mm真鍮線を使えば良いでしょう。


いきなり成功するのは難しいかもしれませんので、何度か練習してみることです。じきに慣れると思います。一度や二度の失敗にあきらめないこと。



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