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経年変化によるデカールの黄ばみは落とせないものか?
掲示板でちょいと話題になりまして、それについて閲覧者のcobaさんからこのような意見をいただきました。
デカールの経年による黄ばみですが、私も以前に困ってあるモデラーさんに訊いたことがあります。
ただ、かなり危険なので度胸も、適当な実験素材もなくまだ実践はしていませんので、以下は勇気と度胸と各自の責任で…(無責任ですみません。こんな荒技もあるという笑い話でお願いします)。
その方法とは、キッチンハイターだそうです。
ただ漂白中は、絶えず監視していないと全部ダメになるのでかなり危険な技だと伝授されました。その方は、見ているとみるみるキレイになっていくので、もっともっとと思ってほっておいたら完全に侵食されてパーになったと言っていましたので、見極めるタイミングがポイントだそうです。
この荒技のもとは雑誌「モデルカーレーサーズ」の古い号にあるようです。その記事では『原液』となっていたようですが即効性が高い分、前記のようにちょっとトイレといっているうちに全部侵食されなくなる危険があります。
たぶんポイントとなるのは稀釈の濃度でしょう。濃度をあげれば短時間処理できる分リスクも上がり、逆に濃度を下げると時間がかかりノリが流れる可能性が高まる(この場合はデカール用の接着剤で台紙にもどすテクニックもあるようですが)と、このバランスが実験の課題になるでしょうね。と、あいかわらず無責任ですみません。
※原文を適度に改編させていただきました。
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つまり台所用漂白剤で黄ばみは落ちると。
そんなわけでトリビアの泉じゃありませんが
実際にやってみた。
■実験その1
今回用意したのは、キッチンハイターが我が家になかったので代わりに某社製塩素系漂白剤。
これを薄めずに原液のままで別容器に移しかえて使用。
デカールはフジミ製1/24ハコスカGT-Rのナンバープレート。
引き出しの肥やしになっていた10年超のもので、黄ばみ具合も程よい感じです。
漂白剤にデカールを投入。
瞬間デカールからシュワッ〜と泡が一斉に出始めました。
果たしてデカールの運命はいかに?
約3分経過。
上の写真と比べて確かにデカール表面が白くなっているのが確認出来ます。
溶けてしまっては元も子もないのでこの辺で漂白液からデカールを取り出し、別の容器に用意した水でよく洗い流してやります。
上が漂白後で下が漂白前。
その差は歴然です。
本当に落ちた。
あとは一緒に落ちた糊の代わりに水で溶いた木工用ボンドやクレオスのMr.マークセッター(Joshin Web)を使って貼れば良いです。
ではデカールはどの程度漂白剤に漬けていると溶けてしまうのでしょう?
そんなわけで再びトリビアの泉じゃありませんが
実際にやってみた。
■実験その2
容器に漂白剤を原液のまま入れ、再度そこにデカールを投入。
またしても瞬間デカールからシュワッ〜と泡が一斉に出始めました。
5分経過。
デカールはもう十分に白くなったけど、なにやら表面に怪しげなシワが・・
7分後。
ご覧のようにシワだらけという哀れな姿に・・・。
ピンセットでつまもうとすると、なんとそこからボロボロと崩れ落ちてしまいました。
死亡確認!(王大人判定)
実験終了。
■結論
黄ばみが落ちるまで漂白剤に漬けていると、化学変化でデカールの表面が微妙に波打ち気味になりました。この方法を行ったデカールは、マークソフターなどの軟化剤を使用して貼り付けるのが好ましいでしょう。
次に溶解を避けるために漂白液を綿棒に染込ませて擦り取るという実験もしましたが、黄ばみの落ち具合がイマイチであまり良好な結果は得られませんでした。これを行うにはもっと漂白力の強い製品が必要のようです。
また他の方からの実験結果では30秒くらいで真っ白になったという話もありますが、私の場合はそれほど急激に黄ばみが落ちていったわけではなく、デカールや漂白剤の程度や品質により随分と差があるようです。今回の実験結果はあくまでもひとつの目安として考えていただきたく思います。
そしてなによりも重要なのが、慣れないとデカールを溶かしてしまう可能性があるという事。場合によっては黄ばみが落ちる前にデカールが溶け出してしまう事もありそうです。いきなり本番ぶっ続けは自殺行為かと。
そんなわけでこの方法を誰にでもお奨めできるかというと、正直微妙。
実行されるときは必ず自己責任にてお願いします。
失敗したからって文句いわないでね。
※追記(2007/12/19)
デカールの黄ばみ、なんと日干しで落とすという方法があって実験されているブログがあります。ホントに落ちてるのでびっくり!
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