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第19回 JMC プラモデルコンテスト作品展 2009 大阪会場 レポート

2009年12月13日 大阪市・大阪城ホール 城見ホール 1F  撮影:管理人おまみ


去る12月12-13日、大阪城ホール・城見ホールで開催されたハセガワ主催のJMC(ジョイフル モデラーズ コンベンション)プラモデルコンテスト作品展2009大阪のレポートです。





 コンテスト展示作品紹介
上位入賞作品と私が個人的に特に気に入った作品をチョイスして紹介します。

JMC入賞者の名前はハセガワのウェブサイトなどの広報関連物や模型雑誌にそのまま掲載されるのでここで載せても問題ないかとは思うのですが、去年同様苗字のみの掲載とさせていただきました。



マスターズクラス賞
マスターズクラスから審査員による投票で金賞、銀賞、銅賞が各1名選出。


《スーパーマスターズ金賞》
手のひらサイズの小さな作品でした。胴体中央部がオリジナルと全く変わっています。



《スーパーマスターズ銀賞》
これも機体前半分が原型を留めないくらい改造されています。
上位入賞の改造作品のいずれにも共通してるのは、言われないとそういうキットだと思ってしまうくらい自然でキレイにまとまってるところですね。



《スーパーマスターズ銅賞》
スーパーマスターズ入賞3作の中では最もわかりやすい改造作品。個人的にはパネルラインやリベットを上手く浮き上がらせている塗装技術に舌を巻きました。





JMC大賞
シニアクラスから審査員による投票で2名選出との事ですが4名選ばれてました。規約変わったのかな?


二式水戦がモダンなエアレーサー機へ変身!チャンピオンホワイトのボディ色が良いです。



正攻法ディテールアップの模範のような作品です。艦船模型は全体を写すと細部までわかりませんので、アップ画像を余分に載せました。



小物を持っていたりおどけてる奴がいたり、女同士端に固まっていたりと実際の記念写真を撮るときに「あるある」と思える描写が見事。



銀のボディカラーの上に、まるでRCカーのクリアーボディのようにくっきりとしたクリアー層がキレイにコートされていたのが印象的でした。





マスターズ賞
審査員による投票で10名選出。その中から個人的に気に入ったのを6つチョイスしました。
どえらい改造が施されてたレーシング仕様の510ブルーバード。 大きいだけでなく細部まで作り込まれており、会場で一際目立っていました。
内部メカを再現したメンテ中のファルケ。ドーリーのデザインも世界観に合っていてすごく“ぽい”です。 独特のまだら迷彩はコピックと筆で塗られたものだそうですが、一体どうやって塗ったのか、その工程が見当も付きません!
アクセサリーの再現が細かい!コメントの「祭の山車」を意識して、人の目の高さから撮影しました。甲板からコクピットまでこんなに高さがあったんですね。 機銃ハッチ内部の弾装とかキャノピーのバックミラーとか作り込みが秀逸。昨年に続いてこの方の作品に見惚れました。





シニア賞
シニアクラスから審査員による投票で10名選出。その中から個人的に気に入ったのを6つチョイスしました。
日系の外国の方のようです。本当にめくれてるツインメリットコーティング、雪の半溶け箇所はツヤあり処理だったりと、とにかく芸コマ! コメントにある抱いた犬がちゃんと撮れてないうえに、後ろの赤城のダイナミックな絵が作品のテーマである癒しとミスマッチ。撮影アングル失敗で申し訳ない・・・
いぶし銀な金属地の表現がスゴすぎ!神技です。 パールを使って鮮やかさを演出したという洋上迷彩が美しいです。
シンプルでカッチリした美しさと配色センスの良さ。私の中でシニア賞中No.1。 ご年配の方の作品。下ネタですがほのぼぼした雰囲気。





特別賞
JMCスタッフにより全作品から10〜15名選出。その中から個人的に気に入ったのを4つチョイスしました。
バラした312T3の作品はいくつかあったのですが、その中でこれが私の最も気に入った作品でした。 兵士の躍動感が素晴しいです。シャーマン戦車は積まれた小物類の多彩さが魅力のひとつなんですが、自転車を縛り付けてあるのが面白いです。
ミンメイガードでファイターを作るというマクロス好きモデラーなら皆一度は思い描くネタを見事にやってのけた作品。この方昨年はジーナス夫妻のバルキリーでした。 藤沢孝さんのパッケージアートの女の子を見事に造形されていてカワイイです♪知らない人のために元ネタはコレ! (でじたみん)





努力賞
これもJMCスタッフにより全作品から10〜15名選出。その中から個人的に気に入ったのを4つチョイスしました。
とても小さい模型で、細かい作り込みにおいては全作品中トップだったと思います。見ていて溜息モノでして、まさに努力賞に相応しい作品。 松本零士先生の漫画を再現した作品。プロペラが片方停止で側面の銃座からシートベルトがなびいており、話を思い出して胸が締め付けられました。
抜群の塗装技術でした。F-14はロービジカラーの汚れ塗装が似合います。 ウォーターゲームを思わせるユーモラスな作品。女の人の作品ですが、年齢を書いてないところにも女性らしさ感じます。(笑)





ジュニア大賞
審査員による投票で1〜2名選出。その2作品です。
工作力は無論のこと、情景シーンの描写が上手いなあと思いました。 9歳の作品。この年の頃、私は水転写シールをまだ上手く貼れませんでした。





ジュニア賞 & ファミリー賞
ハイジュニア&ロージュニア賞 審査員による投票 5〜6名。ファミリー賞 審査員とJMCスタッフにより 1〜3組。
でもPOPを見る分にはハイ&ローの区別は特になかったように思われます。
仕上がりに全くアラがなくて彩色済み完成見本品のよう。そして三冠奪取! 見切れてますがアーマーモデリング賞受賞しており、これも三冠取ってます。
女の子です(多分)。お父さんは娘さんに英才教育をするつもりですね。(笑) こいのぼりを思わせます。塗りムラが張子の民芸品のようで良い味出してます。





マスターズクラス & グランドマスターズ作品
ベテランモデラーによる審査対象外の作品。

炎上する空母加賀は細部の描写が画像1枚では表しきれなかったので3枚に分けました。
遠近法による2つの異なるスケールで表現されています。 大爆発で艦首が少し持ち上がっており、爆炎の中に艦載機が舞っています。 海面に投げ出された乗組員達。爆発を呆然と見ているパイロット。 この方は去年雪風の激闘ジオラマで出品されていました。
これも大掛かりな改造が施されているのに、それを感じさせない自然な雰囲気の作品でした。 グランドマスターの作品らしい上質な仕上がり。このパネルラインの綺麗なボケ足はできそうでなかなかできないです。





その他気に入った作品
その他の入賞作を含めて会場展示品からお気に入り12作品をチョイスしました。
発色の良い赤塗装とボンネット内の美しさに惹かれました。 まとまりの良い清潔感ある作品です。ヘッドライトのテーピングが良いですね。
メカの作り込みとボディの滑らかさが抜群な作品。 ギャクティカ当時毎週見てました。そして光り物はやはりポイント高いです。
アルミで外板のうねりを表現しています。去年ベコベコ震電を出展されていたこの方は今年は疾風で出展。ベコベコクオリティがさらにアップしていました。 カットの形が斬新で、しかも製作時間がたったの48時間!私が今展示会中最も気に入った作品です。
空母艦載機独特の潮風による退色を上手に再現しています。 川の流れている雰囲気とフロートの色使いが素晴しいです。
デコ携帯みたいで楽しいです。案の定女性の作品でした。男にはちょっと思いつかないアイデアです。 フィギュアまでタマゴ型。端で釣りをしていたり、転んで起き上がれない整備員がいたりと、あちこちにドラマがあるのが楽しい♪
まるで象牙のような質感を塗装で再現したファルケ。 光と音によるギミックで、まるで博物館の展示品のようなUボート作品。





ハセガワ社内作品
お気に入り4作品をチョイスしました。

こういうイベントに社員も参加しようとする姿勢には好感が持てますし、いずれもやっつけでなく技術的にもアイデア的にも優れたものばかりで、ハセガワの人達は皆好きで模型屋という仕事をやってるんだなと感じました。
(社員様は立場上公人ですが、裏方さんですので苗字のみの表記にさせていただきました。長谷川専務様は名前を伏せても今さらなので、誠に勝手ながらそのまま載せさせていただきました。)
長谷川専務の作品。芸大卒の元デザイナーだけあって実にお上手。 バトロイド・ファルケ!?Ma.k.担当の方だとか。
よく見るとパーツの正体が色々わかって楽しいです♪ 作品名の付け方でお年がバレますな。(それが解る俺もな・・・)






 ハセガワ 新製品 展示
新製品コーナーは、とにかくアイマス機が目立っていて、多くの人がそこで足を止めていました。
特に1/48春香ラプターは先月のJMC東京会場では展示が間に合わなかったのでこの大阪会場が初のお披露目の舞台となりまして、新金型だけあって素晴しいディテールに加えてデカールの発色が実に鮮やかで、他のアイマス機と比べてクオリティが抜きん出ていました。
● 1/48 F-22A ラプター アイドルマスター 天海春香 【12月下旬発売・Amazon】
● 1/48 F-22A ラプター用エッチングパーツ 【12月下旬発売・Amazon】
初お披露目となった1/48春香ラプター。とにかく鮮やかでそしてデカイ!エロカッコイイならぬ痛カッコイイ!1/48シリーズは置き場に困るので欲しいとはあんまり思わなかっけど、これはちょっと欲しくなりました。そして米軍機版の発売も楽しみだ! オプションのエッチングは、ウエポンベイハッチがやたらデカかったです。



● 1/48 三菱F-2A アイドルマスター 双海亜美 【発売中・Amazon】
● 1/48 F-15E ストライクイーグル アイドルマスター 如月千早 【12月14日発売・Amazon】
● 1/48 F-14D トムキャット アイドルマスター 三浦あずさ 【12月下旬発売・Amazon】
発売中の双海亜美F-2A 14日に発売になった千早イーグル 今週末頃発売予定のあずさトムキャット アイマス機のコーナー全体
会場にあった見本は製品版ではなくホビーショーでも展示されていた試作品のようでして、近くで見るとデカールはどうもMDプリンター印刷ぽかったです。

千早イーグルとあずさトムキャットは共に今週発売。
さらにアイマス機シリーズは新たに「1/48 F-16C双海真美」の1月リリース発表と予約受付が始まりました。




● 1/72 VF-1 バルキリー ミンメイ 2009スペシャル 【1月下旬発売・Amazon】
● 1/35 マシーネンクリーガーシリーズ ルナダイバー スティングレイ 【12月16日発売・Amazon】
VF-1 ミンメイ 2009スペシャル。カラーリングパターンがパッと見「生産5000機記念塗装機」に似ているような気がしました。 16日発売なので多分今日くらいから店頭に並んでいるであろうルナダイバー スティングレイ。
延期に次ぐ延期だったミンメイ機はやっと姿を拝むことが出来ましたが、2009スペシャルなのに発売が2010年になってしまいました。(苦笑)

他にも1/48 VF-1やYF-19、たまごひこーき、矢荻登氏による1/350矢矧の特別作例といった10月の全日本模型ホビーショーでも公開されていた見本が展示されていました。






 ハセガワ 2010年 新製品発表会
この日昼からはハセガワの2010年新作発表会が開かれました。
まずは東京会場ですでに発表になっている製品の紹介に加え、大阪会場では1/350カサブランカ級護衛空母の追加発表が行われました。
発表会の様子 会場で配られたチラシ 東京会場で発表されたロータス79とF-35の紹介。 大阪会場で新たに1/350カサブランカ級空母を発表。
ハセガワ2010年の新製品予定
  • 1/350 軽巡洋艦 阿賀野
  • 1/32 メッサーシュミットBf109F-4 Trop
  • 1/72 F-16I ファイティングファルコン “イスラエル空軍 ”
  • 1/144 日本航空 エンブラエル170
  • 1/72 ユンカース Ju188E
  • 1/20 F1ロータス79
  • 1/72 F-35 ライトニングII
  • 1/350 米海軍 CVE-55 カサブランカ級護衛空母






 合同展示会
関西のいくつかの模型サークル様が参加しており、その中から16点をチョイスしました。
(JMCコンテスト出品作ではないので、プロの方以外製作者様のお名前は伏せさせていただきました。)
フジミのきゃらdeCAR〜る!!シリーズをメインとした痛車のオンパレード!フジミさんに見せてあげたいわ!! これすべて同じ人の作品で、それ以外に普通のクルマもたくさんあっていずれも素晴しい出来でした。製作ペースにびっくり!【トマック(TMAC)様】 プロモデラー・佐々木純一さん作・1/48 B-17G。【翔バナイカイ様】
CD盤上のオーケストラフィギュアがいい味出してるラッピング旅客機。【しんせんぐみ様】 自作アイマス機・律子ホーネット。これもいずれ製品化されるんでしょうか?【しんせんぐみ様】 三四三空のエース杉田上飛曹最後の出撃のジオラマで、作品名「残るも桜も散る桜」。【フライングタイガース様】 かの有名な朝日新聞社訪欧機「神風号」のベルリン訪問記念のジオラマ。【WINDS様】
1/48 R.A.F. FE8。フルスクラッチですって。ええ〜っマジで!!【WINDS様】 プロモデラー・田中克自さん作・1/48 Bf110G-4初期タイプ。【WINDS様】 よれよれサイトのきららさん作・1/48 流星改と1/700 零観。寅のダルマは来年年女だからだそうです。(笑)【WINDS様】 特に何もPOPがなかったけどMig-15?エンジンのディテールがイカス!【シリウス様】
1/48 YF-19トリオ。それぞれ別の人による競作。【奈良模型愛好会様】 川に張った氷の描写とぬかるんだ雪面表現が秀逸!【奈良模型愛好会様】 双海姉妹フィギュア付き亜美機。飾り方がシャレてます。【奈良模型愛好会様】 Master Modelers掲載作1/48ドラケン。ジオラマはなんと3日仕上!【気狂家様】





あとがき
今回でJMC大阪を見に行くのが3回目となったのですが、出品作には常連が結構いるのに気付きまして、作風やキットのチョイスを一目見ただけでそれとわかったり、この人今年はこんな作品でエントリーしたんだという楽しみ方が出来るようになりました。

使用できるキットのメーカーが規定で決められているので作品の内容にカブリが多々見られるのが惜しいですが、それでもこれだけレベルの高い作品が一同に揃う展示会はそうそうありません。モデグラ1月号のあおり文句によると「実は日本で唯一全国規模の模型コンテストなんです」との事。またメーカーさんの声をじかに聞けたりこちらの意見を直接述べられるという関西では実に希な場でもあります。

なのでじっくり見たり話を聞こうとすればそれなりの時間を要しますし、こちらも回を重ねるごとに見方がより深くなってきますから、昼からのこのこ出かけたのでは時間が足らずに最後のほうはだいぶ駆け足になってしまいました。次回からはもっと時間に余裕を見て訪れようと思います。

最後に入賞された皆様おめでとうございます。合同展示会に参加されたサークルの方達おつかれさまでした。そしてこのような展示会を催していただいたハセガワの社員さん達、どうもありがとうございました。
(2009/12/18)





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